横坐り[語句情報] » 横坐り

「横坐り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

横坐りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
がて嚏《くさめ》を一つすると、窓の障子をばたりとしめて、また元の机の際《きわ》へ横坐りに坐ってしまった。それから翌日の午後六時までお君さんが何をしていたか、その....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
? お母さんは。――御免なさいよ。電車がそりゃこむもんだから。」 お絹はやはり横坐りのまま、器用に泥だらけの白足袋《しろたび》を脱いだ。洋一はその足袋を見ると....
饗応夫人」より 著者:太宰治
、そうしてお客のお帰りになった後は、呆然《ぼうぜん》として客間にひとりでぐったり横坐りに坐ったまま、後片づけも何もなさらず、たまには、涙ぐんでいる事さえありまし....
党生活者」より 著者:小林多喜二
、一寸《ちょっと》息を飲んだ。それから赤くなり、何故《なぜ》かあわてたように今迄横坐りになっていた膝《ひざ》を坐り直した。 しばらくして彼女は覚悟を決め、下へ....
」より 著者:岡本かの子
し――」 ひとつ撮んだのがいう。 「鯵かしらん」 すると、畳敷の方の柱の根に横坐りにして見ていた内儀さん――ともよの母親――が、は は は は と太り肉を揺....
婦系図」より 著者:泉鏡花
」 「ところがあります、ははは、」と、ここでまた相好とともに足を崩して、ぐたりと横坐りになって、 「思うに逢わずして思わざるに……じゃない。向うも来れば僕も来る....
朱日記」より 著者:泉鏡花
、枯木に夕焼のしたような、火の幹、火の枝になった大樹の下に、小さな足を投出して、横坐りになった、浪吉の無事な姿を見た。 学校は、便宜に隊を組んで避難したが、皆....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
面を、襖の影から斜に出して、 (按摩でやす。)とまた、悪く抜衣紋で、胸を折って、横坐りに、蝋燭火へ紙火屋のかかった灯の向うへ、ぬいと半身で出た工合が、見越入道の....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
のの裾が堆い。 その地響きが膚に応えて、震える状に、脇の下を窄めるから、雪女は横坐りに、 「あい、」と手を支く。 「そりゃ、」 と徳利を突出した、入道は懐か....
香水紳士」より 著者:大阪圭吉
少しずつズレかかっていた紳士の顔の上の新聞が、この時、ガサッと音をたてて、紳士の横坐りになっている膝の上へ落ちて来た。 クルミさんはヒヤリとなった。どうしよう....
星女郎」より 著者:泉鏡花
――両膝を細りと内端に屈めながら、忘れたらしく投げてた裾を、すっと掻込んで、草へ横坐りになると、今までの様子とは、がらりと変って、活々した、清い調子で、 (姉さ....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
をかけた美女は起直った。今の姿をそのままに、雪駄は獅子の蝶に飛ばして、土手の草に横坐りになる。 ト獅子は紅の切を捌いて、二つとも、立って頭を向けた。 「ああ、....
」より 著者:岡本かの子
きりがないと思った。で、また縫いかけの仕事を始めた。京子も黙ってしまった。黙って横坐りのまま障子を見つめて居た。息は昂奮を詰めて居た。やがて京子は何かを見つけた....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
顔へ押しつけているだけである。 カテリーナ・リヴォーヴナは起きあがると、寝床に横坐りになって、セルゲイを接吻ぜめにした、愛撫ぜめにした。やがて、もみくちゃにな....
不在地主」より 著者:小林多喜二
「……んでも泥棒させるのは、岸野さんだ。……ええワ、ええワ!――何アに……。」横坐りになると、そのまま何時迄もボンヤリした。 「母、俺ら学校の帰り何時でも取っ....