横座[語句情報] »
横座
「横座〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
横座の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
紺《こん》のあつしをセルの前垂れで合せて、樫《かし》の角火鉢《かくひばち》の
横座《よこざ》に坐った男が眉《まゆ》をしかめながらこう怒鳴《どな》った。人間の顔....
「親子」より 著者:有島武郎
を脱ぎ捨てると、自分の設計で建て上げた座敷にとおって、洋服のままきちんと囲炉裡の
横座にすわった。そして眼鏡をはずす間もなく、両手を顔にあてて、下の方から、禿げ上....
「街」より 著者:宮本百合子
いるうちに、うめは、六つで、もう年寄りになりかけているのであった。志津は、甘えて
横座りしているうめを愛情と焦立たしさの混った眼で眺めながら、 「うめちゃん、何て....
「骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
イ。解いてやれ」 「ハッ」 若い巡査が二人で女を抱え起して泥だらけの板張の上に
横座りさせた。 これを見た銀次はチョット狼狽したらしかった。巡査達の顔を素早く....
「断層顔」より 著者:海野十三
図があらわれた。 その上には七つの曲線が入り交っていた。そして、十二月十二日の
横座標の上に七つの新しい点が見ている前で加えられたが、それは光るスポットで表示さ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りなすって下さいまし」 竜之助の手を引いて坐らせたのは大きな囲炉裡《いろり》の
横座《よこざ》。 煤《すす》だらけになった自在鍵《じざいかぎ》、仁王様の頭ほど....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かかるが、鬼というやつの正体をぜひ見たいのだ。そこで、ジリジリと膝が進む時、炉の
横座に坐っていた件《くだん》の旅人が、そのとき急にこちらを向いて、その険悪な面《....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
皆が皆首をズーッと下げて額を手で支えて中に自分一人ポッツリと頭をあげて居ぎたなく
横座りに仕て居るのを気づくと、お関は周章《あわ》てて前をかき合せて恭の顔色をうか....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
脚無力 拾得楊花涙沾臆 秋去春来双燕子 願銜楊花入※裏裏」はママ] 灯の下に
横座りになりながら、白花を恋した霊太后の詩を読んでいると、つくづく旅が恋いしくな....
「地上」より 著者:島田清次郎
上品な白髪をまばらに生やした、油ぎった顔色の男であった。三尺四方の囲炉裡を控えた
横座に坐って、熱く燗した卵酒を呷りながら主人は、細かいことはあとで家内が起きたら....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
て来た.見ると恐しく背の低い,色の黒い,みっともない顔の男で,私のうしろを通って
横座にどっかと腰をおろし,そのまま何を言うでもなく,何をするでもなく,私たちの上....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
開かずば蹴破るぞと嚇す故に、是非なく戸を明けたれば入りきたるはヤマハハなり。炉の
横座に蹈みはたかりて火にあたり、飯をたきて食わせよという。その言葉に従い膳を支度....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
弁慶だのと評することわざは、地方によって色々の言いかたがある。まず九州の日向では
横座弁慶、
横座は炉の正面の主人の座である。陸中|遠野のロブチ弁慶、是も判っている....