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横歩き
「横歩き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
横歩きの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「光の中に」より 著者:金史良
つめていた。私は今だにその薄光りしていた目を忘れることは出来ない。彼は蟹のように
横歩きで方々へぶち当りながらぬけ出るのだった。 「まあお掛けなさい」私は二人きり....
「赤い貨車」より 著者:宮本百合子
《ドゥーラ》!」 いそいでよけた女の顔の前へ、てのひらにのせた鶏をつき出して、
横歩きをしつつ髯の大きな男が熱心につばきをとばしてしゃべった。 「|奥さん《マー....
「道標」より 著者:宮本百合子
けば、こわくもないわ――ニューラは?」
ニューラは、すぐに返事をせず綱に沿って
横歩きにものを干しつづけていたが、
「すこしは、ましです」
と、ぶっきらぼうに答....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
と思うと、挙動は早く褄を軽く急いだが、裾をはらりと、長襦袢の艶なのが、すらすらと
横歩きして、半襟も、色白な横顔も、少し俯向けるように、納戸から出て来たのが、ぱっ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
ず提灯を切り落としました」「それは私にもうなずかれる。提灯の消えたのは私も見た」
横歩きの不思議な足跡? 「それから駕籠へ近寄りました。その証拠には同じ足跡が、こ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
た。
はたして嘉門にはそう思われたらしい。
「ならぬ!」といかめしく答えたが、
横歩きにそろそろと右手のほうへ、――すなわち佐久間町の二丁目のほうへ、蟹が歩くよ....
「接吻」より 著者:神西清
な馬で、きれいな頸と短い尻尾をしているが、その歩き方がまっすぐではなく、なんだか
横歩きでもしているような工合で、おまけに四つ脚でひょこひょこ小刻みに踊るような運....
「盗難」より 著者:佐藤垢石
。みゑ子は肥って可愛い。そして割合にわせの児で、もう障子の棧につかまって、座敷を
横歩きに歩いていた。乳を離しても、差し支えあるまいということは誰にも分かる。私ら....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
たのである。
――それから。
相手方の様子を見つつ、壁を背にしたまま、徐々と
横歩きにあるき、三十三間堂の西の端縁へのぼって、悠々とさいぜん立った所の縁の中ほ....