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横波
「横波〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
横波の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
《とたんいた》のように、白く日を反射して、時々、通りすぎる川蒸汽がその上に眩しい
横波の鍍金《めっき》をかけている。そうして、その滑《なめらか》な水面を、陽気な太....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ても、日が子午線近く来るまでかからねばならないのだ。君らの船は艪にあやつられて、
横波を食いながらしぶしぶ進んで行く。ざぶり‥‥ざぶり‥‥寒気のために比重の高くな....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
に注意していると、古河の方から漕ぎ出した一艘の船はまだ幾間も進まないうちに、強い
横波のあおりをうけて、あれという間に転覆した。平助のいう通り水はまだほんとうに引....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
後であるために、その二つが力学的に作用し合って、無論わずかな間だけれども、全身に
横波をうけたような動揺を起す――と云うのだ。ところが、伸子の身体は、その際に自然....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の一段にとどまり、時代は幕末から維新に向って大きく枢軸が移ろうとする。その時代の
横波を食った神尾主膳の体勢までが動揺する。時代に閑却の鐚めが芸娼論を振廻すも一興....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
に眠る事が出来ぬ、その中に碇《いかり》を上げ帆を捲いて船を出したが、進むに従って
横波が船の腹をドサンドサンと打って動揺して、それが段々|甚《ひど》くなった。船に....
「高知がえり」より 著者:寺田寅彦
浦戸の燈台が小さく見える。西を見ると神島が夕日を背にして真黒に浮上がって見える。
横波の入日をこして北を見ると遠い山の頂に白いものが見える。ボーイが御茶を上げまし....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
に、その層が、水面に高くぐいと盛りあがったように感ぜられると、そこを、紗のような
横波が、サッと掃いた。すると紅の暗さに、一抹の明るみが差したかのように、血の流れ....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
でこでこに装甲したものすごいタグ・ボートが三隻、五米ぐらいずつ間隔をおいてえらい
横波をたてながらすぐそばを通って行く。マドロス・パイプをくわえた半袖シャツのセー....