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「横穴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

横穴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海異記」より 著者:泉鏡花
んだ僧の姿は、張板の横へ揺れたが、ちょうど浜へ出るその二頭の猛獣に護られた砂山の横穴のごとき入口を、幅一杯に塞いで立った。背高き形が、傍へ少し離れたので、もう、....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
行くのを近所の人はほとんど皆見ている。うちは林の中ゆえ、見えなかった。 ◯盛んに横穴を掘れと宣伝す。 ◯午後六時二十分の大本営発表が、硫黄島戦を報ず。「昨日来、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろうと思った」 半七はその穴へ降りてみると、深さは五、六尺、それが奥にむかって横穴の抜け道を作っている。その抜け道は幅も高さも三尺に過ぎないので、大の男は這っ....
春昼」より 著者:泉鏡花
のの手に、綱が引いてあったと見えます、踞ったままで立ちもせんので。 窪んだ浅い横穴じゃ。大きかったといいますよ。正面に幅一|間ばかり、尤も、この辺にはちょいち....
恐竜島」より 著者:海野十三
ぶりにかいふくしたように思われた。 快報だ。 この噴火口のとちゅうにおいて、横穴があって、それが外まで抜けて、日の光がさしこんでいるのであろうと、誰もが思っ....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
なるほど、つるはしを皆が使うはずだと、一郎は感心した。つるはしを使い出してから、横穴は、どんどん先の方へあいていった。その代り、実に厄介《やっかい》なのは、土を....
怪塔王」より 著者:海野十三
ぐんぐん上へのぼっていきますと、もうあとすぐ天井にぶつかりそうなところに、一つの横穴があいていました。 綱は、そこから下へおろされているのでありました。 「お....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
の悪い、黙然の屑屋は、古女房が、そっち側の二人に、縁台を進めた時、ギロリと踏台の横穴を覗いたが、それ切りフイと居なくなった。…… いま、腰を掛けた踏台の中には....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
の汽車の沿道一帯を、粟、蕎麦、稲を買求めて、草に刈り、芥にむしり、甚しきは古塚の横穴を発いてまで、捜させました。流星のごとく天際に消えたのでしょう、一点似た釘も....
南地心中」より 著者:泉鏡花
きっと一度、目の前でとぐろを巻いて、首を擡げて、その人間の顔を熟と視て、それから横穴へ入って隠れるって言います。 そのくらい念の入った長虫ですから、買手が来て....
黒百合」より 著者:泉鏡花
いった滝太郎の声も、四辺の寂莫に包まれて、異様に聞える。 そのまま腰を屈めて、横穴の中へ消えるよう。 お兼は抱着くがごとくにして、山腹の土に手をかけながら、....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
丘を少しく登ってゆくと、大きい紅葉が五、六本茂っている間に、赤土をくりぬいた低い横穴が見いだされた。土が崩れ落ちた洞穴ではない、おそらく遠い昔の人がわざわざ作り....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
。松明の光を便宜にして、ここぞと思うあたりの岩穴を一々検査すると、岩壁を穿ったる横穴は数ヶ所に拓かれていた。が、穴の天井は極めて低いので、到底真直に立っては歩か....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
」と書いております。穴住まいをするという事かもしれません。今も鎌倉あたりの墓穴(横穴)に住んでいるものもあります。近ごろ石器時代の遺蹟として有名な、越中氷見郡海....
蝦蟇を食べた話」より 著者:北大路魯山人
て行ってみたが、冬のことで、池の水がぐんと減っている。蝦蟇はこの池のふちの斜面に横穴を掘って、その奥に冬眠しているということであったが、みると、なるほど、減水し....