横腹[語句情報] »
横腹
「横腹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
横腹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ことに恋々《れんれん》としている場合ではない。俺は昨夜《ゆうべ》もう少しで常子の
横腹を蹴《け》るところだった。……
「十一月×日 俺は今日|洗濯物《せんたくもの....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
いる。そのうちに勝負の争いを生じ、一人の水夫は飛び立つが早いか、もう一人の水夫の
横腹へずぶりとナイフを突き立ててしまう。大勢の水夫は二人のまわりへ四方八方から集....
「或る女」より 著者:有島武郎
。強い男の手で思い存分両肩でも抱きすくめてほしいようなたよりなさを感じた。そして
横腹に深々と手をやって、さし込む痛みをこらえるらしい姿をしていた。古藤はややしば....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
らや》の軒さきに、牛乳の配達車が一台置いてあった。水色のペンキで塗りつぶした箱の
横腹に、「精乳社」と毒々しい赤色で書いてあるのが眼を牽《ひ》いたので、彼は急ぎな....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ましょう。)というと手が綿のように障《さわ》った。
それから両方の肩から、背、
横腹、臀《いしき》、さらさら水をかけてはさすってくれる。
それがさ、骨に通って....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
かったものであろう、夢中になった渠等の傍で、駅員が一名、密と寄って、中にもめ組の
横腹の辺で唐突に、がんからん、がんからん、がんからん。 「ひゃあ、」と据眼に呼....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
ょになった。たくみなる操縦によって、その快速ロケットは、ひらかれたるギンネコ号の
横腹のなかに収容されたのであった。 見かけは古くさいギンネコ号には、意外に高級....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
ので、迸る血烟と共に、彼は階子を逆落しにもんどりを打って小蒸汽の錨の下に落ちて、
横腹に大負傷をしたのである。薄地セルの華奢な背広を着た太った姿が、血みどろになっ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
たッけが、私は頭痛がしていた処へ、その声を聞くとなお塩梅が悪くなって、胸は痛む、
横腹は筋張るね、おいおい薄暗くはなって来る。暑いというので燈火はつけずさ。陰気に....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ではありません。船はぎいぎいがたがた鳴りました。さしもがんじょうな船板も、ひどく
横腹を当てられて曲りました。マストはまんなかからぽっきりと、まるであしかなんぞの....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ずかしい顔をするぞ。」というようにおもわれました。やがて風が吹きだして、波が白い
横腹をうえに向けました。でも雲がまっ赤にかがやきだして、風がぴったりとまると、海....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
もうあたりがすっかりきれいな春になっているのを知りました。するとこの若い鳥は翼で
横腹を摶ってみましたが、それは全くしっかりしていて、彼は空高く昇りはじめました。....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
える声でくりかえした。なおも答えはない。もう一度彼はびくとも動かぬガンパウダーの
横腹をたたきつけ、そして両眼をとじて、夢中になって、讃美歌をどなりだした。すると....
「瘤」より 著者:犬田卯
うこれで決ったようなもんだっぺ……」 「へえ……」と田辺は眼を剥いた。むかむかと
横腹のところがもり上った。 そこへ自分と同じくこんど上った新米議員の半田房之助....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
飯を粥に煮てくれました。けれども、それも、もう通らない。……酷い目に逢いました。
横腹を抱えて、しょんぼりと家へ帰るのに、送って来た友だちと別れてから、町はずれで....