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「横転〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

横転の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恐しき通夜」より 著者:海野十三
っているのに気がついたのだった。吃驚して後を見ると、遙か下の空で、二機はしきりに横転をやっているじゃないか。これは無論、儂の指令じゃない。なにか故障を起したのか....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ン」 高射砲の砲口から、杏色の火焔が、はッはッと息を吐いた。敵機は、クルリと、横転をすると、たちまち闇の中に、姿を消して行った。異様なプロペラの唸り声が、明ら....
蠅男」より 著者:海野十三
に、車体が右に一廻転した。下は百メートルほどの山峡だった。何条もってたまるべき、横転した自動車は弾みをくらって、毬のようにポンポン弾みながら、土煙と共に転げ落ち....
姥捨」より 著者:太宰治
った。水たまりに落ちていた。それでわかった。崖に沿って垂直に下に落ちず、からだが横転して、崖のうえの窪地に落ち込んだ。窪地には、泉からちょろちょろ流れ出す水がた....
火星兵団」より 著者:海野十三
え」 博士は、いよいよ元気に、新田先生に撃方の号令を下す。そうして、大空艇は、横転・逆転と、あらゆる秘術をつくして、敵の宇宙艇をおいかければ、必ずその宇宙艇は....
人造人間事件」より 著者:海野十三
なって底がぬけてしまった! 帆村はなおも落ついて先を読んだ。「烈風」「激浪」「横転」という三つの言葉が出ると、人造人間は別々の新しい行動を起し、遂に「撃沈」と....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
たものらしい。 お雪ちゃんはそう思って鳥の挙動を見守ると、全く物狂わしいように横転、逆転、旋回、飛上、飛下を試みているのが、いよいよ只事とは思われないのです。....
三重宙返りの記」より 著者:海野十三
いるような感じでもあった。僕は、ひたすら錯覚の世界を追っていたのだ。 はげしい横転の始まった瞬間には、僕の身体は、機外においてけぼりにされたように感じた。水平....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
るように感じられるだけよ。 そう言ってお京さんはさめざめと泣いた。上げ潮の芥に横転縦転する白い鴎がビール会社の赤煉瓦を夕暮にした。寂しい本所深川のけむり。 ―....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
から後から、鱶のごとく、鯨のごとく、鮫のごとく、生き、動き、揺れ、時には相触れ、横転しつつ、二条のレールの間を、エスカレエタ式の流れに乗って、遠い屋外の白光から....