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横隔膜
「横隔膜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
横隔膜の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
》らしく微笑を見せながら、そういっているうちに、大濤《おおなみ》がどすんどすんと
横隔膜につきあたるような心地《ここち》がして、鼻血でも出そうに鼻の孔《あな》がふ....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
から」 敬太郎は少し羞痒《くすぐっ》たいような気がした。相手を見ると依然として
横隔膜《おうかくまく》から下を湯に浸《つ》けたまま、まだ飽《あ》きずにじゃぶじゃ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
らいは読んでいるからね。いかにも、第四頸椎に圧迫がある場合に衝動的吸気を喰うと、
横隔膜に痙攣的な収縮が起る。だがしかしだ。その肝腎な傴僂というのは、あの女じゃな....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
ンドを旅した時の、あの二十代の健かな歓びを思っても見ろ。あの男の笑い声――「顔と
横隔膜とのみの笑ではなく、頭から踵《かかと》に及ぶ全身の笑」が、今も聞えるようだ....
「芝刈り」より 著者:寺田寅彦
のために今度は印字機に向かったつもりになって両手の指を動かしているといつのまにか
横隔膜の下のほうが次第に堅く凝って来るのを感じた。 このような仮想的の試験があ....
「鎖骨」より 著者:寺田寅彦
かがどうかなるのかもしれない。 悲しいとき涙腺から液体を放出する。おかしいとき
横隔膜が週期的|痙攣をはじめる。これも何か、もっとずっと悪い影響を救うための安全....
「売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
減っていた。窓向うの壁がかぶりつきたいほどうまそうな狐色に見えた。彼女は笑った。
横隔膜を両手で押えて笑った。腹が減り過ぎて却っておかしくなる時が誰にでもあるもの....
「理想の女」より 著者:豊島与志雄
まった。それは凡てを吹き払ってしまった。所が間もなく、千代子は十八の秋に、肋膜と
横隔膜とを同時に病んで、短い臥床の後に死んでしまった。私は彼女の位牌の前で、しめ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
もなかった。二階と一階とをへだてる床《ゆか》には、引き戸も階段もなく、その破屋の
横隔膜のような観があった。二階には前に言ったとおり、多くの室と数個の屋根部屋とが....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
こから下がっており、一面に張りつめた広い蜘蛛《くも》の巣は、塵《ちり》をかぶった
横隔膜のようだった。方々のすみには黒ずんだ大きな汚点が見えていて、ちょうど生きて....