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「横領〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

横領の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
にしようとした。あるいはその物々しい忠義|呼《よば》わりの後に、あわよくば、家を横領しようとする野心でもあるのかも知れない。――そう思うと修理は、どんな酷刑《こ....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ち満ちている。さりとて今となっては出家遁世して、自分の地位や権力を見すみす頼長に横領されるのも無念であった。 彼は今、玉藻がむいてくれた瓜《うり》の露をすこし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たき与右衛門を天王橋で仕留めた一件です。与右衛門は村の名主で、年貢《ねんぐ》金を横領したとか云う捫著《もんちゃく》から、その支配内の百姓十七人が代官所へ訴え出ま....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はいいながら主人の妻と不義をかさね、あまつさえ家督相続の娘を押し籠めて其の身代を横領しようと巧んだのであるから、引き廻しの上で獄門にさらされた。良次郎も相当の処....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
平次と菩提寺の住職と、この三人が共謀して、かねて内福の聞えのある津の国屋の身代を横領しようと巧んだのであった。津の国屋の主人次郎兵衛は貰い娘のお安をむごたらしく....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
てしまったばかりか、実は莫大な遺産が僕の上に落ちてくるのを見すまし、悪心を起して横領を企てるに至った。継母お鳥も、いまは情念の悪鬼となり、虎に同意をして、下心あ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
とが認めてあるのを洩れ聞いた。 ――おまえは平生から官吏として賄賂をむさぼり、横領をほしいままにしている。その罪まことに重々である。就いては小役人などを責めて....
暗号の役割」より 著者:海野十三
所在は一刻も早く突きとめたく、その上で鬼二郎が金山源介を本当に殺害して彼の利権を横領したものだかどうかを確める意欲に燃えあがっていた。 だが、猫々探偵の念入り....
地獄の使者」より 著者:海野十三
ノ多クヲ着服ス、其後土井未亡人多計子ヲ色仕掛ヲ併用シテ籠絡シ土井家資産ノ大部分ヲ横領スル等ノ悪事ヲ行イタリ、右自筆ヲ以テ証明ス。昭和十六年八月十五日、東京都麹町....
時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
ヤリウス様がどこからか持ち出してくる貴重な水鉛の鉱石に目がくれたのだ、私はそれを横領《おうりょう》しようとした。その水鉛のありかも分ったように思ったので、或る夜....
」より 著者:織田作之助
も煙草も飲まず、ただそこらじゅう拭きまわるよりほかに何一つ道楽のなかった伊助が、横領されやしないかとひやひやしてきた寺田屋がはっきり自分のものになった今、はじめ....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
を発見して届け出た農夫が再び警察に出頭して、自分が屍体の懐中からこれだけの札束を横領隠匿したと自白して、五万円の金額を提出したそうです」 「うむ!」検事は頷いた....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
彼の館もやはり堀川のうちにあって、むかしは然るべき殿上人の住居であったのを無体に横領して、車寄せを駒寄せに作り変えたのであった。 「権右衛門、来たか。これへ。」....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
する怨恨の薄らがないように、毎日あの恐しい鉄の扉の中に入るのです。彼は私の資産を横領したのみでなく、私の一生を葬り去ろうと企んだ、それだけだって許し難いのに、そ....
蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
その叔父様というのは御実兄にあたる大旦那様を殺し、大奥様を散々苦しめ、御木井家を横領しようと企らんだ、飛んでもない人非人なんでございます』 『それは本当ですか?....