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横額
「横額〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
横額の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
でしょうか……それとも何か理由があって訊いたのでしょうか」 杉川医師もちょっと
横額を押えた。 「サア。その辺はどうも……」 「私が行って訊いてみましょうか」 ....
「上林からの手紙」より 著者:宮本百合子
双あって、よく日に光っている。また、三間のなげしには契月と署名した「月前時鳥」の
横額がかかげられている。これは恐ろしい雲の形と色とである。一緒に眺めていた栄さん....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
いのを駒形の眼鏡屋が磨りました。而して軍艦の上に、西郷吉之助と署名して、南洲翁が
横額に「万国一覧」と書いたのです。父はああいう奇人で、儲ける考えもなかったのです....
「女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
である。縁側にはミシンがあり、袋戸棚の上には硝子の人形棚があり、鴨居の上に漢書の
横額、壁に複製の洋画静物、針仕事の机、針箱、訳のわからぬいろんな小道具、柳甲李な....
「塩花」より 著者:豊島与志雄
太すぎて、酒を飲んだり昂奮したりする時には、盛り上った網の目を拵えた。それから、
横額の皮膚に、ごく薄くではあるが、点々と汚点があって、余りにととのって何等の特長....
「乾杯」より 著者:豊島与志雄
た。傍から彼女も地図を覗きこんでいました。彼はふと眼を挙げました。眼前に、彼女の
横額の淡い痣がありました。電灯の光を直正面に受けて、妖気を湛えてるようでした。 ....
「波多野邸」より 著者:豊島与志雄
無口で、女に対しては愛想よく話をする、そういったものかも知れません。」 山口の
横額にある薄い汚点、なにか火傷か皮膚病かの名残りとも見えるその汚点に、千枝子はぼ....
「花ふぶき」より 著者:豊島与志雄
は、先程からの嘉代さんの様子に気を惹かれていた。――嘉代さんはじっと伏目がちに、
横額をぴりぴりさしていた。実際に動いてるわけではないが、その緊張が見えるようなん....
「魔像」より 著者:林不忘
道場の剣主、神保造酒の奥座敷である。 「有情無形《うじょうむぎょう》」と大書した
横額《よこがく》の下に、大身の客のまえをも憚《はばか》らず、厚い褥《しとね》にド....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
飾る必要がある。この意味に於いて、総発売元は各支店へ戸棚二個、欅吊看板二枚、紙張
横額二枚、金屏風半双を送付する。よって、その実費として、二百円送金すべし。その代....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
うと、柳町の事を思いながら一方を見ると、歌麿の蜑女と向合って「発菩提心。」という
横額が掛っている。 亡くなった洞斎が遣りそうな好みだ、と思うと、床の間の置物が....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
そこには抱一や文晁の頃から文人や画家がよく遊んだことだの、勝海舟が行って仮名書の
横額に「なんでもない事」と書いていることだの、また、昔はそこの鐘銭というものを取....