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「横風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

横風の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
は通町《とおりちょう》で氷水を一|杯《ぱい》奢《おご》った。学校で逢った時はやに横風《おうふう》な失敬な奴だと思ったが、こんなにいろいろ世話をしてくれるところを....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
かと聞き合わせた。向うの電話口へ出たものは、敬太郎の言葉つきや話しぶりの比較的|横風《おうふう》なところからだいぶ位地の高い人とでも思ったらしく、「どうぞ少々御....
坑夫」より 著者:夏目漱石
の字を寄せて、むずかしそうにとくと眺《なが》めた上、 「こりゃ御前か」 と、さも横風《おうふう》に云った。あまり好い心持ではなかった。何の必要があって、こう自分....
行人」より 著者:夏目漱石
訳だか何だか、自分に対する口の利《き》き方が急に対等になった。ある時は対等以上に横風《おうふう》になった。 四人のいる座敷の向《むこう》には、同じ家のだけれど....
明暗」より 著者:夏目漱石
けない、種は懐中にあるんだから」 彼はこの種の人間としてはむしろ不相応なくらい横風《おうふう》な言葉でこんな事を云った。それから片手を胸の所で握って見せて、そ....
道草」より 著者:夏目漱石
した懐かしみも感じ得ずに、むしろ冷淡に近い受答えばかりしていた。 島田はかねて横風《おうふう》だという評判のある男であった。健三の兄や姉は単にそれだけでも彼を....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
不審は、もしこれを実用上の道具と仮定すれば穴が二つでたくさんである。何もこんなに横風《おうふう》に真中から突き出して見る必用がないのである。ところがどうしてだん....
二十四年前」より 著者:寺田寅彦
器店へ捜しに行ったが、そういう商店はなんとなくお役所のように気位が高いというのか横風だというのか、ともかくも自分には気が引けるようで不愉快であったから、おしまい....
メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
次の滞潮に近いころまでいて、それから錨を揚げて帰りました。行くにも帰るにも確かな横風がないと決して出かけませんでした、――着くまでは大丈夫やまないと思えるような....
武蔵野」より 著者:山田美妙
陣取ッている。はや乾いた眼の玉の池の中には蛆大将が勢揃え。勢いよく吹くのは野分の横風……変則の匂い嚢……血腥い。 はや下※だろう、日は函根の山の端に近寄ッて儀....
愚かな一日」より 著者:豊島与志雄
ど、頭の調子が妙にうわずって、肝心な所で行きづまってしまった。敵の陣形は如何にも横風《おうふう》で、衝くべき虚がいくらもあるように思われたが、実際石を下してみる....
電車停留場」より 著者:豊島与志雄
捨てて彼は、二三歩其処を遠退きかけた。 男はその声にぎくりとして向き返ったが、横風に歩き出してる野口昌作の横顔を見ると、太い眉根を震わして両の拳を握りしめた。....
沈黙の水平線」より 著者:牧逸馬
ア「濠洲よりの途、貴船は如何なる天候を持ちしや」 ワラタ「南西及び西の稍強風、横風《アクロス》」 クラン・マッキンタイア「Thanks, Goodbye P....
日和下駄」より 著者:永井荷風
くか※粉細工《しんこざいく》でもこねるであろう。苦学生に扮装したこの頃の行商人が横風《おうふう》に靴音高くがらりと人の家《うち》の格子戸《こうしど》を明け田舎訛....