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「樫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

樫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
の外へ目をやりながら、(鉄格子《てつごうし》をはめた窓の外には枯れ葉さえ見えない《かし》の木が一本、雪曇りの空に枝を張っていた。)院長のS博士や僕を相手に長々....
古千屋」より 著者:芥川竜之介
井《かしい》の戦いのあったのは元和《げんな》元年《がんねん》四月二十九日だった....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
入るのなら早く這入って来《こ》う」 紺《こん》のあつしをセルの前垂れで合せて、《かし》の角火鉢《かくひばち》の横座《よこざ》に坐った男が眉《まゆ》をしかめな....
クララの出家」より 著者:有島武郎
クララは首をあげて好奇の眼を見張った。両肱は自分の部屋の窓枠に、両膝は使いなれたの長椅子の上に乗っていた。彼女の髪は童女の習慣どおり、侍童のように、肩あたりま....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
寄せ野に種を播かせた。野は生き生きした緑で覆われ、その中から樹々も生い出た。ただ樹だけは出なかった。これはその後に植えられたのである。しかるにこのは余りに大....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
白雪の飛ぶ中に、緋鯉の背、真鯉の鰭の紫は美しい。梅も松もあしらったが、大方は槻の大木である。朴の樹の二|抱えばかりなのさえすっくと立つ。が、いずれも葉を振....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
角に、白い蝙蝠が拡ったように、比羅が一枚|貼ってあった。一樹が立留まって、繁ったの陰に、表町の淡い燈にすかしながら、その「――干鯛かいらいし――……蛸とくあの....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
ど水源と申して宜しい、白雪のとけて湧く処、と居士が言います。……榎は榎、大楠、老、森々と暗く聳えて、瑠璃、瑪瑙の盤、また薬研が幾つも並んだように、蟠った樹の根....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
かしやがって、頭をコンとお見舞申そうと思ったりゃ、もう、すっこ抜けて、坂の中途のの木の下に雨宿りと澄ましてけつかる。 川端へ着くと、薄らと月が出たよ。大川は....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
った胸もとを、きちりと紫の結目で、西行法師――いや、大宅光国という背負方をして、であろう、手馴れて研ぎのかかった白木の細い……所作、稽古の棒をついている。とり....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
勿論、蝙蝠に引出されたんで。 十五 小宮山は切歯をなして、我|赤を割って八角に削りなし、鉄の輪十六を嵌めたる棒を携え、彦四郎定宗の刀を帯びず、....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
流れをわたる橋のかわりになっていた。道の一方の、小川が森に流れこむほうの側には、や栗の木立に野葡萄の蔓が厚くからみついて、あたりを洞穴のように真暗にしていた。....
画室談義」より 著者:上村松園
掘り池を廻らし、金魚だとか鮒、鯉の類の魚を数多く放ってあり、そのもうひとつ外側をの木、藤の棚、ゆすら梅、山吹きなどが囲んでいて、その間から母屋の中庭にかけては....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
うど真中処に、昔から伝説を持った大な一面の石がある――義経記に、…… 加賀国|富と言う所も近くなり、富の介と申すは当国の大名なり、鎌倉|殿より仰は蒙らねども....
雪柳」より 著者:泉鏡花
ば川幅も広くなり、鉄橋にかわって、上の寺の樹蔭も浅い。坂を上った右手に心覚えの古も枝が透いた。踞んで休むのは身は楽だけれども、憩うにも、人を待つにも、形が見っ....