樹下石上[語句情報] »
樹下石上
「樹下石上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
樹下石上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ふじゅう》の沙門《しゃもん》雲水行脚《うんすいあんぎゃ》の衲僧《のうそう》は必ず
樹下石上を宿《やど》とすとある。
樹下石上とは難行苦行のためではない。全くのぼせを....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
つのを、瓢箪式に膝に引着け、あの右角の、三等待合の入口を、叱られぬだけに塞いで、
樹下石上の身の構え、電燈の花見る面色、九分九厘に飲酒たり矣。 あれでは、我慢が....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
から、変化を欲するために外ならなかった。馬上を住家とした古人の旅を思いながらも、
樹下石上に眠らずに、木口新しく、畳障子の備わった室とはいえない屋根の下に、楽々と....
「連環記」より 著者:幸田露伴
、翼従甚だ盛んに、それこそ威儀を厳荘にし、飾り立てて錬り行った。一体本来を云えば
樹下石上にあるべき僧侶が、御尊崇下さる故とは云え、世俗の者共|月卿雲客の任官謝恩....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
いうと冷いが、日当りで暖い所がある。さてと、ご苦労を掛けた提灯を、これへ置くか。
樹下石上というと豪勢だが、こうした処は、地蔵盆に筵を敷いて鉦をカンカンと敲く、は....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
者と称した「神生教壇《しんせいきょうだん》」の宮崎虎之助氏夫人光子は、上野公園の
樹下石上《じゅかせきじょう》を講壇として、路傍の群集に説教し、死に至るまで道のた....
「寝床〔扉の言葉〕」より 著者:種田山頭火
こんなにも身心を落ちつかせるものかと自分ながら驚ろいているのである。 仏教では
樹下石上といい一所不住ともいう。ルンペンは『寝たとこ我が家』という。しかし、そこ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
したが、例の下卑蔵。殊に当日はあすこを心掛けて参ったので、煙草は喫まず、その癖、
樹下石上は思いも寄らん大俗で、ただ見物も退屈、とあらかじめ、紙に捻って月の最中と....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
気がするし? ……。 ままよ、かりそめにせよ、普化僧の法衣を借りてある以上は、
樹下石上も否むべきではない。道に任せて歩き、疲れた所を宿として草にも伏そう。と笛....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
それ以後にはまた、杳として、彼の足跡はあまり分っていない。分っていない間は、
樹下石上の武者修行生活をしていたものと観るしかないのである。ただ、その間に飛石の....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
者が乞食をすることは、前に申した大宝令にもチャンと認められております。僧侶は大体
樹下石上を家として、修行して廻るべきもので、それには当然乞食せねばなりません、し....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
には、宏壮なる殿堂に住み、金襴の法衣を纏うが如きはその本意でなかったに相違ない。
樹下石上を家となし、一衣一笠、身を雲水に委して禅行を積むことは真の仏徒の行為と認....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
に落ち込んだものが多かったのは言うまでもない。彼らは法師姿であるが故に、いわゆる
樹下石上を家となし、身を雲水に任して頭陀の生活をなす修行者に交って、乞食として生....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
なければならぬほどに窮屈なものであった。しかしながら本来が出家脱俗のものである。
樹下石上を家となし、一笠一鉢、施主の供養を受けて修行するということは、この出家脱....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
った。 寺におさまれば、当然、住職ともなれように、半さんは、十数年来、いまだに
樹下石上をつづけてきた。世は、お犬様時代、人間が人間にあいそをつかし、牢舎は罪人....