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樹木
「樹木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
樹木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
2
雷門《かみなりもん》から縦に見た仲店。正面にはるかに仁王門が見える。
樹木は皆枯れ木ばかり。
3
仲店の片側《かたがわ》。外....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
した。しかし彼の自然を見る目に最も影響を与えたのは確かに本所の町々だった。家々も
樹木も往来も妙に見すぼらしい町々だった。
実際彼の自然を見る目に最も影響を与え....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
」
一時間ばかりたった後、玄鶴はいつか眠っていた。その晩は夢も恐しかった。彼は
樹木の茂った中に立ち、腰の高い障子の隙《すき》から茶室めいた部屋を覗《のぞ》いて....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
右にも左にも屋根を落した家々の上へ眼をやって、地鳴りの音、梁《はり》の落ちる音、
樹木の折れる音、壁の崩れる音、それから幾千人もの人々が逃げ惑うのでございましょう....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
も森ばかりだよ。」
成程《なるほど》二階の亜字欄《あじらん》の外には、見慣ない
樹木が枝を張った上に、刺繍《ぬいとり》の模様にありそうな鳥が、何羽も気軽そうに囀....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
いなかった。
北風は長い坂の上から時々まっ直《すぐ》に吹き下ろして来た。墓地の
樹木もその度にさあっと葉の落ちた梢《こずえ》を鳴らした。僕はこう言う薄暗がりの中....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
軽重《けいちょう》深浅に従い、あるいは小鳥となり、あるいは牛となり、あるいはまた
樹木となるそうである。のみならず釈迦は生まれる時、彼の母を殺したと云う。釈迦の教....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
た。海は広い砂浜の向うに深い藍色《あいいろ》に晴れ渡っていた。が、絵の島は家々や
樹木も何か憂鬱《ゆううつ》に曇っていた。
「新時代ですね?」
K君の言葉は唐突....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
に祈りを捧げる。
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「さん・せばすちあん」の右の耳。耳たぶの中には
樹木が一本累々と円い実をみのらせている。耳の穴の中は花の咲いた草原《くさはら》。....
「或る女」より 著者:有島武郎
、そのあとに激しい南風が吹いて、東京の市街はほこりまぶれになって、空も、家屋も、
樹木も、黄粉《きなこ》でまぶしたようになったあげく、気持ち悪く蒸し蒸しと膚を汗ば....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
を広げて見た。 それはどれも鉛筆で描かれたスケッチ帳だった。そしてどれにも山と
樹木ばかりが描かれてあった。私は一目見ると、それが明らかに北海道の風景である事を....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
り山又山、高いのも低いのも、又色の濃いのも淡いのも、いろいろありますが、どれも皆
樹木の茂った山ばかり、尖った岩山などはただの一つも見えません。それ等が十重二十重....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
出ると、青ぞらの映った雪解けの道をせっせと姉の家へ歩いて行った。道に沿うた公園の
樹木は皆枝や葉を黒ませていた。のみならずどれも一本ごとに丁度僕等人間のように前や....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
な森かげを歩いてから、もういくたの年月がたっているが、今もやはり、そのころと同じ
樹木が茂っており、同じひとびとがその奥まったところにのんびり暮しているのではない....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
は必ずしもかれのことばかりではない。かれの住んでいた家のあたり、――瓦屋根の間に
樹木の見える横町のことも思い出したのである。そこは僕の住んでいた元町通りに比べる....