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樹立
「樹立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
樹立の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
問 ショオペンハウエルは健在なりや?
答 彼は目下《もっか》心霊的厭世主義を
樹立し、自活する可否を論じつつあり。しかれどもコレラも黴菌病《ばいきんびょう》な....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
うだ》を弁解する好個の武器を見出すのである。同時に又実際には存しない彼等の優越を
樹立する、好個の台石を見出すのである。「わたしは白蓮女史ほど美人ではない。しかし....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
が取囲んで押揺がすごとく、きらきらと星がきらめいて、それから富坂をかけて小石川の
樹立の梢へ暗くなる、ちょっと人足の途絶え処。 東へ、西へ、と置場処の間数を示し....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
していることが解るであろう。東亞連盟運動は、世界のあらゆる民族の間に正しき協和を
樹立するため、その基礎的團結として、まづ地域的に近接し且つ比較的共通せる文化内容....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
をこぼれる雫も冷い。……糠雨がまだ降っていようも知れぬ。時々ぽつりと来るのは――
樹立は暗いほどだけれど、その雫ばかりではなさそうで、鎮守の明神の石段は、わくら葉....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
畝らせる。 月は、その上にかかっているのに。…… 先達の仁右衛門は、早やその
樹立の、余波の夜に肩を入れた。が、見た目のさしわたしに似ない、帯がたるんだ、ゆる....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
星が水垢離取りそうな月明に、踏切の桟橋を渡る影高く、灯ちらちらと目の下に、遠近の
樹立の骨ばかりなのを視めながら、桑名の停車場へ下りた旅客がある。 月の影には相....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
しい、その打囃す鳴物が、――向って、斜違の角を広々と黒塀で取廻わした片隅に、低い
樹立の松を洩れて、朱塗の堂の屋根が見える、稲荷様と聞いた、境内に、何か催しがある....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の風情はないが、木瓜、山吹の覗かれる窪地の屋敷町で、そのどこからも、駿河台の濃い
樹立の下に、和仏英女学校というのの壁の色が、凩の吹く日も、暖かそうに霞んで見えて....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
君の白脛とかつ、緋の裳を映した。二人は額堂を出たのである。 「ご覧、目の下に遠く
樹立が見える、あの中の瓦屋根が、私の居る旅籠だよ。」 崕のふちで危っかしそうに....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
まして、元朝、宇治橋を渡りまして、貴客、五十鈴川で嗽手水、神路山を右に見て、杉の
樹立の中を出て、御廟の前でほのぼのと白みますという、それから二見ヶ浦へ初日の出を....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
ろか、袂に、煎餅も、榧の実もない。 一寺に北辰妙見宮のまします堂は、森々とした
樹立の中を、深く石段を上る高い処にある。 「ぼろきてほうこう。ぼろきてほうこう。....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ざとでなく聞こうとして、しばらくうっかりしたものと見えます。なぜというに、いま、
樹立の中を出ますと、高縁の突端に薄汚れたが白綸子の大蒲団を敷込んで、柱を背中に、....
「活人形」より 著者:泉鏡花
、俯伏になりて、「あれえ。」 倉瀬泰助は旅店を出でて、雪の下への道すがら、一叢
樹立の茂りたる林の中へ行懸りぬ。月いと清うさしいでて、葉裏を透して照らすにぞ、偶....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
定を断固阻止し、すすんで安保条約を解消し、アメリカのクサリを断固切り、平和政策を
樹立し、中日国交回復を実現しよう。右決議する。 これが内容です。(拍手)この決....