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「樹葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

樹葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藁草履」より 著者:島崎藤村
いましてめっきり寒い。山気は襲いかかって人の背《せなか》をぞくぞくさせる。見れば樹葉《きのは》を泄《も》れる月の光が幹を伝って、流れるように地に落ちておりました....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の犢ほどの葉や、スパイクのような棘をつけた大|蔦葛の密生が、鬱蒼と天日をへだてる樹葉の辺りまで伸びている。また、その葉陰に倨然とわだかまっている、大|蛸のような....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
造ったものをそこへ取り出して見せた。梵文の経の一節を刻んであるインド渡来の貝陀羅樹葉、それを二つ折りにして水天宮の守り札と合わせたものがその袋の中から出て来た。....
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
拡散の理論だけでは、間に合わない筋のものであろうと思われる。この点から考えてこの樹葉の紋の研究も決して閑人のむだ仕事ではないであろう。 縞瑪瑙の縞がリーゼガン....
十二支考」より 著者:南方熊楠
かげ》の堕落したもの)などは土中に住む。純《もっぱ》ら樹上に住む蛇は熱地に多く、樹葉や花と別たぬまで美色で光る。これは無論他動物をして、蛇自身の体の、花や葉と思....
地上」より 著者:島田清次郎
た。何故の哀愁であるかは分らないが、M公の邸を囲むセメントの塀を越えて深い森林の樹葉が路上に掩い被さっている街角から左に折れる暗い狭いやや急な坂路が続いている。....
水と骨」より 著者:佐藤垢石
川は雪が深いうえに、陽当たりの悪い川である。屈曲が多く谷が深い。そして水面を掩う樹葉は敷き詰めたようである。流域の耕地は、まことに少ないのである。水温の低い所以....
決闘場」より 著者:岡本かの子
く潜入して居た。周りを丈の低い灌木にすっかり取り囲まれて僅かに彼女独りがしっくり樹葉に覆い隠されてしまう場所に来て居た。彼女は芝草の上に膝を斜めに折り屈げて、器....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
は罰があたるぞ」――孫兵衛の言葉が続いているうちであった。もちの木坂の裏道から、樹葉を分けて駈け登ってきた編笠の男。 息がきれたか、途中の岩石に立ち、ホッと麓....
三国志」より 著者:吉川英治
、告げ去り、もはやここの本陣も、さながら暴風の中心に立つ一木の如く、枝々みな震い樹葉みなふるえた。 「つげ」 曹操は、部下に酒をつがせ、なお腰をすえていたが、....