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「樹頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

樹頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
こずえ》から後を追うて落ちて来た。忙がしい吹雪《ふぶき》はいつか尽きて、今は残る樹頭に嵐もようやく収《おさま》った。星ならずして夜を護《も》る花の影は見えぬ。同....
十日の菊」より 著者:永井荷風
三 同じ年の五月に、わたしがその年から数えて七年ほど前に書いた『三柏葉樹頭夜嵐《みつかしわこずえのよあらし》』という拙劣なる脚本が、偶然帝国劇場女優劇....
日和下駄」より 著者:永井荷風
木谷《かみにばんちょうへんじゅもくだに》へ下《おり》る坂の如きは下弦の月鎌の如く樹頭に懸る冬の夜《よ》、広大なるこの辺《へん》の屋敷屋敷の犬の遠吠え聞ゆる折なぞ....
」より 著者:マクラウドフィオナ
蔭に飛び隠れることを考えた。 風は静かだった。一点の影もない息もない動きもない樹頭の原の上を星のしろいひかりがさまよっていた。 「あの音は何」カアルの腕に寝て....
五重塔」より 著者:幸田露伴
ながら、用事なら庫裡の方へ廻れ、と情なく云い捨てて障子ぴっしゃり、後はどこやらの樹頭に啼く鵯の声ばかりして音もなく響きもなし。なるほどと独り言しつつ十兵衛庫裡に....