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樺
「樺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
樺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
うじ》を南へ歩いて来た二人の男女《なんにょ》が、彼の前を通りかかった。
男は、
樺桜《かばざくら》の直垂《ひたたれ》に梨打《なしうち》の烏帽子《えぼし》をかけて....
「河童」より 著者:芥川竜之介
だったのです。僕の後ろにある岩の上には画《え》にあるとおりの河童が一匹、片手は白
樺《しらかば》の幹を抱《かか》え、片手は目の上にかざしたなり、珍しそうに僕を見お....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
ているが、ここはもうさながらの冬のけしきで、薄い黄色の丸葉がひらひらついている白
樺《しらかば》の霜柱の草の中にたたずんだのが、静かというよりは寂しい感じを起させ....
「或る女」より 著者:有島武郎
いた。色さまざまな桜の落ち葉が、日向《ひなた》では黄に紅《くれない》に、日影では
樺《かば》に紫に庭をいろどっていた。いろどっているといえば菊の花もあちこちにしつ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
風に吹かれて瓢軽《ひょうきん》な音を立てていた。あちこちにひょろひょろと立った白
樺《しらかば》はおおかた葉をふるい落してなよなよとした白い幹が風にたわみながら光....
「星座」より 著者:有島武郎
た。そこからの眺めは思いのほか高い所にあるのを思わせた。じき下には、地方裁判所の
樺色《かばいろ》の瓦屋根があって、その先には道庁の赤煉瓦、その赤煉瓦を囲んで若芽....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ので、 「女形にお任せなさいまし。」 とすらりと立った丈高う、半面を颯と彩る、
樺色の窓掛に、色彩|羅馬の女神のごとく、愛神の手を片手で曳いて、主税の肩と擦違い....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
クララの番が来て祭壇の後ろのアプスに行くと、フランシスはただ一人|獣色といわれる
樺色の百姓服を着て、繩の帯を結んで、胸の前に組んだ手を見入るように首を下げて、壁....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
穢らわし相に下を向いて仕舞った。 (一九〇六年於米国華盛頓府、一九一〇年十月「白
樺」)....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
溢出ようが、皆|引掴んで頬張る気だから、二十ばかり初茸を一所に載せた。残らず、薄
樺色の笠を逆に、白い軸を立てて、真中ごろのが、じいじい音を立てると、……青い錆が....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
ぎれ雲が大空から影を落としたか、と視められ、ぬぺりとして、ふうわり軽い。全体が薄
樺で、黄色い斑がむらむらして、流れのままに出たり、消えたり、結んだり、解けたり、....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
人事|不省ならんとする、瞬間に異ならず。 同時に真直に立った足許に、なめし皮の
樺色の靴、宿を欺くため座敷を抜けて持って入ったのが、向うむきに揃っていたので、立....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
持ちのよいところに建っていた。木のおいしげった丘のふもとで、近くを小川が流れ、白
樺の巨木がその片端に立っていた。眠けを誘う夏の日には、生徒たちの課業を勉強する声....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
って出来上ったような、雨飾山ばかりを見ていた。 青木湖を離れると佐野坂、左は白
樺の林、右手は急に傾斜して小さな盆地をなしている。佐野坂は農具川と姫川との分水嶺....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
展途上に領有いたしました領土は、それぞれその国に帰すことはやむを得ぬとするも、南
樺太、千島の領土権を失い、歯舞、色丹島は、北海道の行政区にあるにもかかわらず、ソ....