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「樺の木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

樺の木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あいびき」より 著者:ツルゲーネフイワン
るいはまたあたり一面にわかに薄暗くなりだして、瞬く間に物のあいろも見えなくなり、樺の木立ちも、降り積ッたままでまだ日の眼に逢わぬ雪のように、白くおぼろに霞《かす....
女の決闘」より 著者:太宰治
あって、それに空が白く映っている。それが草原の中に牛乳をこぼしたように見える。白樺の木どもは、これから起って来る、珍らしい出来事を見ようと思うらしく、互に摩《す....
武蔵野」より 著者:国木田独歩
あたり一面にわかに薄暗くなりだして、瞬《またた》く間に物のあいろも見えなくなり、樺の木立ちも、降り積ッたままでまた日の眼に逢わぬ雪のように、白くおぼろに霞む――....
秋の暈」より 著者:織田作之助
明ける。 人影もないその淋しい一本道をすこし行くと、すぐ森の中だった。前方の白樺の木に裸電球がかかっている。にぶいその灯のまわりに、秋の夜明けの寂けさが、暈の....
単独行」より 著者:加藤文太郎
を登った中村氏らがいて非常に歓待してくれた。そのとき私は入口においてある大きな白樺の木へ腰をおろして焚火にあたっていた。ところが中村氏は私に向って「君の生命は旦....
槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
花崗の岩壁が聳えて、その壁には白い卓子懸けのような雪が、幾反も垂れている、若緑の樺の木は、岩壁の麓から胸まで、擦り切れるようになった枝を張りつめて、その間から白....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
が高く波うっている。 その道の学者のいうところによると、野中に立っている一本の樺の木は、一日に八百ポンド以上の水分を空中に向って放散している。普通の大きさの水....
晩夏」より 著者:堀辰雄
い込んで、又引っ返そうとして、ふいと、その裏手の方を見ると、その裏木戸の上から白樺の木蔭になって「Green ……」という下手な横文字の看板の一部だけが見えてい....
風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
草原の中で、お前が立ったまま熱心に絵を描いていると、私はいつもその傍らの一本の白樺の木蔭に身を横たえていたものだった。そうして夕方になって、お前が仕事をすませて....
大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
たとおもいますが。……」 「ああ、それで思い出した。なんだかこう妙にねじくれた白樺の木にその女がもたれているんだろう。……」僕はそこの美術館ではエル・グレコの絵....
接吻」より 著者:神西清
ごしに中を覗いてみた。庭は真暗で、ひっそりしていた。……見えるのはただ、真近かな樺の木の白々とした幹が数本と、並木道の片端とだけで、あとは残らず真黒な一かたまり....
決闘場」より 著者:岡本かの子
使われた旧い決闘場の跡で、今もその儘に残って居る一劃がある。 まばらに生えた白樺の木立に取り囲まれ、幅四間、長さ十間程の長方形の芝生で、周辺の芝生より一尺程低....
女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
あって、それに空が白く映っている。それが草原の中に牛乳をこぼしたように見える。白樺の木共はこれから起って来る、珍らしい出来事を見ようと思うらしく、互に摩り寄って....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
くあたりを見廻した私の眼は、地上五、六尺の所からへし折れて笹の中に僵れている太い樺の木に注いだ。急いで其上に登って改めて復あたりを見廻した。温泉岳と根名草山と鬼....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
の位置が不確なので、地図通りに直ぐ左とも決められない。金作と二人で横にのり出した樺の木に攀じ上って下を覗いて見た。雲の海は汐の引くように下の瀬戸を音もなく西へ流....