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樽
「樽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
樽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
ない軒燈《けんとう》だった。それから巻いてある日除《ひよ》けだった。それから麦酒
樽《ビイルだる》の天水桶《てんすいおけ》の上に乾《ほ》し忘れたままの爪革《つまか....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
けに新聞を見ると、果して昨夜竪川に身投げがあった。――それも亀沢《かめざわ》町の
樽屋の息子で、原因は失恋、飛びこんだ場所は、一の橋と二の橋との間にある石河岸と出....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
の妻は袷《あわせ》一枚にぼろぼろの袖無《そでな》しを着て、井戸――といっても味噌
樽《みそだる》を埋めたのに赤※《あかさび》の浮いた上層水《うわみず》が四分目ほど....
「星座」より 著者:有島武郎
いっていいから尋常小学だけで学校生活をやめたのはまずいいとしても、妹のおせいに小
樽で女中奉公をさせておかねばならぬというのは、清逸の胸には烈しくこたえていた。清....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
生命の続く限りの男らしい活動である。二週日にして予は札幌を去った。札幌を去って小
樽《おたる》に来た。小
樽に来て初めて真に新開地的な、真に植民的精神の溢《あふ》る....
「弓町より」より 著者:石川啄木
した。郷里《くに》から函館《はこだて》へ、函館から札幌《さっぽろ》へ、札幌から小
樽《おたる》へ、小
樽から釧路《くしろ》へ――私はそういう風に食を需《もと》めて流....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
れた時、君には東京に遊学すべき道が絶たれていたのだった。一時北海道の西海岸で、小
樽をすら凌駕してにぎやかになりそうな気勢を見せた岩内港は、さしたる理由もなく、少....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
つい夏の取着きに、御主人のいいつけで、清酒をの、お前様、沢山でもござりませぬ。三
樽ばかり船に積んで、船頭殿が一人、嘉吉めが上乗りで、この葉山の小売|店へ卸しに来....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
笛を吹く……本所名代の楽器に合わせて、猫が三疋。小夜具を被って、仁王|立、一斗|
樽の三ツ目入道、裸の小児と一所になって、さす手の扇、ひく手の手拭、揃って人も無げ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ば陰々たる中に、煙草盆、枕、火鉢、炬燵櫓の形など左右、二列びに、不揃いに、沢庵の
樽もあり、石臼もあり、俎板あり、灯のない行燈も三ツ四ツ、あたかも人のない道具市。....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
同時に、頭の上の松の枝が、烈しくざわざわ揺れたと思うと、後の絶壁の頂からは、四斗
樽程の白蛇が一匹、炎のような舌を吐いて、見る見る近くへ下りて来るのです。 杜子....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
は皆赤切符だ。 B 人間は皆赤切符! やっぱり話せるな。おれが飯屋へ飛び込んで空
樽に腰掛けるのもそれだ。 A 何だい、うまい物うまい物って言うから何を食うのかと....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
枝をひろげ、その根かたには泉があって、甘い柔かい水がごぼごぼと湧きだして、小さな
樽形の井戸からあふれ、きらきら光りながら草地のなかを通って、近くの小川に注いでい....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
ようなものが或は消え或は現われて美しい現象を呈したのを見た。彼は好奇心の余り、小
樽港に碇泊している船について調べて見たが、一隻の軍艦もいないことを発見した。而し....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
八年、東京市会議員選挙に立候補したが、このときは最高点で当選した。友人が酒の四斗
樽を一本寄付してくれたので、選挙事務所に千余名が集まり、大祝杯をあげたが、あまり....