橋番[語句情報] » 橋番

「橋番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

橋番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
ぎょっとしてあとさきを見まわした。彼の足は行くともなしに両国橋を渡りかけていた。橋番の小屋で放し鰻を買って、大川へ流してやっている人があった。林之助はその財布を....
豚吉とヒョロ子」より 著者:三鳥山人
の梅干|婆《ばば》と、馬鹿にしてつかみかかって行きました。ところがその強いこと、橋番のお婆さんはイキナリ豚吉を捕まえますと、手鞠《てまり》のように河の中へ投げ込....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
桶をほうり込んだのを、其のままにして置くわけには行かないので、取りあえず東両国の橋番小屋へ駈け着けて、舟を出してもらいました。 おおかた此の辺であったかと思っ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
頃である。両国橋の西寄りに当って、人の飛び込んだような水音が響いたので、西両国の橋番小屋から橋番のおやじが提灯をつけて出た。両国橋は天保十年四月に架け換えたので....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
けぶかい人であることは近所の人達がみんな能く知っている。月の四日にはきっと両国の橋番の小屋へ行って、放し鰻をして帰るのを例としている。神まいりにも行く。寺詣りに....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
おれが行って声をかけるから」 七兵衛は引っ返して女のあとをつけた。広小路寄りの橋番小屋のまえまで行った時に、かれは先廻りをして女の前に立って、小屋の灯かげで頭....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のことは無論、町役人にも届けて置いた。両国や永代の川筋へも人をやって、その注意を橋番にもたのんで置いた。甲州屋としては、もうほかに施すべき手だてもないので、半七....
寺坂吉右衛門の逃亡」より 著者:直木三十五
考え込んでいた。 (もう、そろそろ早立ちの旅人の通る時分だろう) 吉右衛門は、橋番所から怪しまれないように、人通りのあるのを、待とうと思って、人家の軒下へ入っ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。この寒空につめてえ真似をするもんじゃあねえ。早く行かねえと、引き摺って行って、橋番に引き渡すぜ」 女は黙ってすすり泣きをしているらしかった。どうで死のうと覚....
転機」より 著者:伊藤野枝
にとても行けるものかというように、てんから道など教えそうにもない。それでも最後に橋番に聞けという。舟橋を渡るとすぐ番小屋がある。三四人の男が呑気な顔をして往来す....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、斬り損じて落して、直ぐに刃《やいば》を納めて、橋上を西へ走りました。幸いにして橋番にも怪しまれずに、一気に広小路から元柳橋を越えて、ここの塀下に立ってみると、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の上には鼠色の煙りが浮かび出して、遠い川下が水明かりで薄白いのも寒そうに見えた。橋番の小屋でも行燈に微かな蝋燭の灯を入れた。今夜の霜を予想するように、御船蔵の上....
人間繁栄」より 著者:豊島与志雄
た。彼は賑かな神社と反対の方へ、橋の方へ歩いていった。 うとうと居眠りをしてる橋番の前を、懐手のままふらりと通りぬけて、ひたひたとした波の音に聞き入りながら、....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
お橋銭の制度があった。 彼は番人の所へ行って一スー渡した。 「二スーだよ。」と橋番の老人は言った。「歩けるくらいの子供を抱いていなさるから、二人分払いなさい。....
放し鰻」より 著者:岡本綺堂
E君は語る。 本所|相生町の裏店に住む平吉は、物に追われるように息を切って駈けて来た。かれは両国の橋番の小屋へ駈け込んで、かねて見識り越しの橋番のおやじを呼んで、水を一杯くれと言....