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機を見るに敏
「機を見るに敏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
機を見るに敏の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
輩を進呈するがごとく、西郷隆盛君の銅像に勘公が糞《ふん》をひるようなものである。
機を見るに敏なる吾輩はとうてい駄目と見て取ったから、奇麗さっぱりと椽側へ引き上げ....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
ないで、江良丹後守に預けた。これ等が元就が陶に不快を感じた原因である。 そして
機を見るに敏なる元就は、陶が石州の吉見正頼を攻めに行った機に乗じて、安芸の桜尾、....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
まるくおさまったら、これに越した事は、ないと思っていたさ。」叔母さんも、さすがに
機を見るに敏である。くるりと態度をかえていた。「だけど、進ちゃんも、利巧になった....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぜざる変通力が、一転して商業の方へ注がれたというわけです。故にこの国の勤勉にして
機を見るに敏なる土民共は、農業を捨てて商業の方に着目し、転向することになりました....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
張りの男とのみ見る奴が多いが、どうして、彼はなかなか眼さきも利《き》いているし、
機を見るに敏な奴だ。不幸にして彼は有力な藩に生れなかったから、独力で今日の地位に....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
う一度叩いてみたが返辞もしない。 これもやっぱりその日の午前中の出来事だった。
機を見るに敏なる趙秀才は革命党が城内に入ったと聞いて、すぐに辮子を頭の上に巻き込....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の盛んな時代で、かの末広鉄腸居士の政治小説『雪中梅』などが盛んに行なわれたので、
機を見るに敏なる大阪の興行師はすぐにそれを脚色させて、主人公の国野基を右団次、ワ....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
方《ねがた》に爺《じじい》が一人腰をかけて釣道具に駄菓子やパンなどを売っている。
機を見るに敏なるこの親爺《おやじ》の商法にさすがのわれわれも聊《いささ》か敬服し....
「三国志」より 著者:吉川英治
渡の難所にいたるまでの尨大な陣地戦は、そのまま一兵の手もゆるめはしなかった。ただ
機を見るに敏な彼は、 「予自身、ここにいても、大した益はない」 と戦の見こしを....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
うたださず、伊吹へ帰って、ご軍勢の通過を待つなどという先廻りは」 「よくいえば、
機を見るに敏なやつ。悪くいえば抜け目ない横着者だ。が、よかれあしかれ、彼が二心な....
「四谷、赤坂」より 著者:宮島資夫
。一時は松村辰次郎の手に渡り、再び浜野の許《もと》に帰った因縁つきの邸であるが、
機を見るに敏な浜野といえども、今日の殷賑《いんしん》な光景は恐らく予想し得なかっ....