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機先
「機先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
機先の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
、ちょうどそのとたんである。十郎を救おうとして、ばらばらと走り寄った、盗人たちの
機先を制して、耳をつんざく一声《いっせい》の角《つの》を合図に、粉々として乱れる....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
ていましたっけ。」――僕は、モオニングだったんだ。さっきで懲《こ》りているから、
機先を制して、「似ていやしないか。」って云うと、すまして、「もっといい男」さ。「....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
獪《ろうかい》な信西とが合体《がったい》して何事を仕向けるかもしれない。あるいは
機先を制して、むこうから逆寄《さかよ》せに押しかけて来るかもしれない。下世話《げ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
二十八 主税は、礼之進が早くも二度の魁を働いたのに、少なからず
機先を制せられたのと――かてて加えてお蔦の一件が暴露たために、先生が太く感情を損....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
。服装はそれでいいのか」 と言って立上った。わたくしは、これも、なにかの場合に
機先を制してそれとなくわたくしの頽勢を支えて呉れるいつもの逸作の気配りの一つと思....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ものに相違なかった。けれども、こうして法水の知脳が、次回の犯罪において全く犯人の
機先を制したかのように見え、ことに火精の一句が、結局犯人の破滅を引き出すかの観を....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
門|尉等と通じて一挙に信長を滅そうとした。信長、守山に在る叔父孫三郎信光と共に、
機先を制して天文二十一年八月十六日、那古野に出で三方より清須城を攻めた。翌年にな....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
移る為に騒々しいとの注進を受けては勝家も疑うわけにはゆかない。驚き怒るけれども、
機先は既に制せられて居る形である。岐阜の信孝も、勝家の救なくては、如何ともし難い....
「流線間諜」より 著者:海野十三
げ、ヒラリと下の部屋に飛び下りた。無謀といえば無謀だったが、戦闘の妙諦はまず敵の
機先を制することにあった。それに帆村は既に空気管の中の模様を見極めているので、こ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
新子は、自分の身が、みじめに感ぜられ、モジモジしながら、暇を乞おうとしている
機先を、夫人は見事に制して、 「まあ。およろしいじゃありませんか。食事の用意を申....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
、正しく扉口の左側から切り込んで来た太刀風が、鋭く横顔に感じましたが、既に其時は
機先を制して私は室の中に居たのでした。そして私は思いました。恐らく是迄の九人の勇....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
れだのに刺客は斬らなかった。一間ばかりの手前に立ち、ただじっと見詰めていた。彼は
機先を制されたのであった。叱※するような安房守の言葉に、強く胸を打たれたのであっ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
左門に逢ったなら「我の一を以って敵の二に応じ」よう。すなわち、攻撃的に出て、
機先を制しようなどと考えていた頼母は、相手の構えを見ただけで、萎縮してしまった。....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
と知りながらも、百人が百人それに乗り、一歩踏み出すか打ち込むかする。……と、その
機先を素早く制し……柳生の業車ノ返シ、そいつでこう一旦返す」 扇をクルリと下返....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
よいけれどもそうでないと化の皮が顕われますからあまりむこうから尋ね掛けないように
機先を制して、かねてシャブズン師から聞いて居った機密の話を持ち掛けた。それはシャ....