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機嫌取り
「機嫌取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
機嫌取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「縮図」より 著者:徳田秋声
の家へ入りこみ、世間話に退屈を凌いだ。小菊も薄々知っていたが、松島も折にふれては
機嫌取りに春日町を訪ねるらしく、芸者を抱える時に、ちょっと金を融通してもらったり....
「スランプ」より 著者:夢野久作
に対する好き嫌いを全然云わない修業をさせられました。死ぬほどイヤなお提灯記事、御
機嫌取り記事、尻拭い原稿なぞいうものを、電話や靴の音がガンガンガタガタと入り乱れ....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
ようが構わない。盲目滅法に押しまくってその日一日を暮らす。それから妻子や書生の御
機嫌取りだが、これも生きている利子と思えば何でもない。好きな小説本か何か読んで何....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
入らぬかの齢《とし》だが、沸《たぎ》り立っている世の中の児童だ、三太郎甚六等の御
機嫌取りの少年雑誌や、アメリカの牛飼馬飼めらの下らない喧嘩《けんか》の活動写真を....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
銅貨|幾箇を酒に易えて、御淋しゅう御座りましたろう、御不自由で御座りましたろうと
機嫌取りどり笑顔してまめやかに仕うるにさえ時々は無理難題、先度も上田の娼妓になれ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いるうちに、相当にいい心持になって行くのは奇妙だと思います。 これは、へたな御
機嫌取りの取持ちや、見え透いたお世辞者よりも、この大女にしてお酌と監視役とを兼ね....
「新妻の手記」より 著者:豊島与志雄
ある。ただ、私のささやかな翻訳の仕事は文学などというものではなく、思えば、母の御
機嫌取りに過ぎなかった。私としては勿論、家事第一主義の考えに変りはなかった。 ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
は三十余年を通じて、一回たりともコンミッションに悩まされたことはない。すなわち御
機嫌取りを必要とする向きにはいっさい眼をくれなかったのである。同時にまた、これが....
「道なき道」より 著者:織田作之助
庄之助は呟いた。 「――世間の教師らはヴァイオリンの教授を坊ちゃん嬢ちゃん相手の
機嫌取り同然に思っているが、俺の弟子はきびしい教え方のおかげで、皆んな良い成績を....