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機密費
「機密費〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
機密費の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
かったのであった。 大成功だった。彼女を招聘するために佐古が惜し気もなく使った
機密費の額に最初文句をつけ通しだった経営者も、純白のイヴニングの裾さばきも軽やか....
「永日小品」より 著者:夏目漱石
だそうだ。泥棒を電車に乗せると電車賃が損になる。裁判に出ると、弁当代が損になる。
機密費《きみつひ》は警視庁が半分取ってしまうのだそうだ。余りを各警察へ割りふるの....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
た。 街の空気は、工場の工人達に、ひゞいてこずにはいなかった。 あてがわれる
機密費を、自分の貯金として、支那にいる間に、一と財産作って帰る腹の山崎は、M製粉....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
る日光大修営の籤《くじ》を落としたのだけれど。 今は、あべこべに。 将軍様が
機密費を出して、それで名家柳生を救わなければならないことになった。 これじゃア....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
……
▼あ――ア。鳴りを静めて見ているばかりじゃ。つづく不思議がホントウ国の。
機密費用の大|弗箱だよ。そこを洩れ出す巨万のお金が。マッタク博士のポケットの中へ....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
り沢山の秘密が蔵されているのが常だ。尤も官庁にはそうした秘密が沢山あるので、所謂
機密費(それは軍部のが圧倒的に巨額だ)というものもあれば、閣議を初めとして各首脳....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
を、いろいろの証拠物件によって証明したものとみえ、ロシア政府はそれに対して沢山な
機密費を与え、ツァンニー・ケンボはまたこれを自分の用に使わずにチベットへ持って来....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
撃する。内山完造は、日本の外務省の最高のスパイだ。あいつの月給は五十万円、一年の
機密費は五百万円。必要に応じていくらでも出る。それで彼はたくさんの伝書鳩を飼って....