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「機才〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

機才の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
し、いつでも手ぎわよくその場合場合をあやつって、それから甘い歓語を引き出すだけの機才《ウィット》を持ち合わしていたので、この一か月ほど見知らぬ人の間に立ちまじっ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
間的雑報を雑誌に書いていた。彼は甘ったるい声で、きわめて露骨な事柄をしゃべった。機才はあったが、しかしそれも意地悪い才で、また下等なことが多かった。――これらの....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の混和だった。彼らは皮肉であって滑稽《こっけい》な気質をそなえてはいたが、自然の機才をあまりもっていなかった。しかし器用だったから、パリー風に機才をかなり巧みに....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ぼった。それらは往々にしてかなり危《あぶな》っかしいものだったが、露骨なある種の機才がないでもなかった。消化作用の神秘も歌い忘れられていなかった。ロアール河のほ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は、ルナン兄弟の絵には、イール・ド・フランスやピカルディーの労働者や農夫などの、機才と輝いた眼とを見出した。また現代人の本心の中に流れてるものも、やはり昔の思想....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
た者らを侮辱した。曰《いわ》く、ダヴィッドももはや才能を有せず、アルノーももはや機才を有せず、カルノーももはや誠実を有せず、スールトももはや戦勝をもたらさず、ナ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
兵場の溝《どぶ》の中にはおたまじゃくしがいる。 彼らの言葉はタレーラン(訳者注機才に富んだ弁舌で有名な当時の政治家)に匹敵する。同様に冷笑的であり、またいっそ....
黄泉から」より 著者:久生十蘭
ンを糶《せ》りおとし、持っていた金を安全に始末してしまった。 仲介業者の先見と機才は、倦怠と夢想から湧きでる詩人の霊感によく似ていて、この仕事に憑かれると抜け....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
とを紹介するためにも、充分に記述する価値のあるものである。 ダライラマ八世は、機才に富む、聡明な、そのうえまれにみる健康の保持者で、廿三歳になるまで、病気らし....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
の小座敷にあつまって顔つきあわして坐っていた。 世故《せこ》にもたけ、そうとう機才のある連中ばかりだから、たいていのことならばそれぞれ至当の意見もあるべきとこ....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
だい」 キャラコさんが、ぼんやりした声を、だす。 「ええ、よくわかりましたわ」機才に富んだ、ふだんのキャラコさんのようでもない。どうしたものか、きょうはまるっ....