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「機智〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

機智の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年」より 著者:芥川竜之介
なった!」 父は勿論、母や伯母も一時にどっと笑い出した。が、必ずしもその笑いは機智《きち》に富んだ彼の答を了解したためばかりでもないようである。この疑問は彼の....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
》の作品は大作にもせよ、必ず窓のない部屋に似ている。人生の展望は少しも利かない。機智 機智とは三段論法を欠いた思想であり、彼等の所謂《いわゆる》「思想」とは....
星座」より 著者:有島武郎
もが、より誰も彼もらしくなった。会話は自然に纏まって本筋に流れこんだ。人見は軽い機智の使いどころがなくなって蔭に廻った。西山の気分はまた前どおりの黙って坐っては....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
がら、ドアが閉っていた。人々はドアがなかなかあかないので、これもデコレーションの機智の一つかというつまらなそうな顔をして立去って行った。実は「西田哲学」という題....
蠅男」より 著者:海野十三
たことを話した。大川主任は、なるほど、ほうほう、さよかいなを連発しながら、帆村の機智によるこの蠅男追跡談にいとも熱心に耳を傾けた。 丁度そのとき、部長の連れて....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
てな、まだ鉄道としては新人の方なんですが、頭もいいし人格もあるし、それになかなか機智に富んだ敏腕家でして、いまではもう出世して本省の監督局におさまっていられます....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
を受けると直ぐに来てくれた。そして事情を聞きとると、真先に「歌姫」を捕えた警官の機智を褒め上げた。 「いや大変結構でした。とにかくこう云う人達を扱うには、決して....
雛妓」より 著者:岡本かの子
しさを努めて紛らすために何か飄逸な筆つきを使う画家であった。都会児の洗練透徹した機智は生れ付きのものだった。だが彼は邪道に陥る惧れがあるとて、ふだんは滅多にそれ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
かったのである。あの緊密な包囲形をどう潜り抜けたものか、また伸子が犯人で、法水の機智から発した包囲を悟り、絶体絶命の措置に出たものであろうか……。いずれにしろこ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
りあげたものと想像してご覧なさい。そんな真似をするような彼女であったらば、もっと機智があって、もっと生活が豊かで、しかも他人が認めているよりも、もっと陰険な女で....
貞操問答」より 著者:菊池寛
だし、なすがままに委せて見ていればいいようなものの、子供とは云え、どこかに逞しい機智が閃き、それに持って生れた少女魅力を備え、何をするか分らない出鱈目さがあるし....
映画と音楽」より 著者:伊丹万作
ものであろう。そしてきわめて制限された長さの中へ最も効果的なメロディーをもりこむ機智と融通性がなくてはとうていこの仕事はやつて行けないだろう。 私は不幸にして....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ある。盛大があり、零落があり、恋愛があり、欺瞞があり、嬌笑がある。それらはいわば機智と冷刺との雰囲気の中で、動く塵埃でその塵埃が虹のような光彩を漲らしているので....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
うのダンスを、傍人を瞠目せしめる高雅さで踊った。会話はユーモアのみならず、光彩と機智にあふれて、充分にそのセンスは社交性をはずれることなく、人を魅する美しさを持....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ております。 「イギリスの家庭の美風は、|お茶時で維持されている」「フランス人の機智は、珈琲店(日本のカフェーとは違います)で培養される」。こういうことがよく西....