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「機縁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

機縁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
れる。あの段どりが実になんとも申されません。そうしてそれがまた、荘介小文吾再会の機縁になるのでございますからな。不肖《ふしょう》じゃございますが、この近江屋平吉....
星座」より 著者:有島武郎
》を僥倖《ぎょうこう》しうるのみならず、その生得《しょうとく》の才能を発揮するの機縁に遇いうるやも計るべからず。我が望むところは、彼女が東上して円山氏につき、勤....
想片」より 著者:有島武郎
》には多くの私の言説の不備な点を指摘する批評家が多いようだったが、このごろあれを機縁にして自己の見地を発表する論者が多くなってきた。それは非常によいことだと思う....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
知れぬ。きょうは自然のめぐりあいで、まことに余儀ない破目《はめ》であるが、これを機縁に再び彼女《かれ》と親しゅうするなど夢にもならぬことじゃと思え。この教えに背....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
かねて、野崎が自分の授業料を滞納させて立て替えてやった。ところが野崎はそのことを機縁として大阪からの通学を止めて、赤井と同じ下宿に移った。おまけに気の良い野崎は....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
も、有りながら有る甲斐のない塵芥に過ぎない。 私が私自身に帰ろうとして、外界を機縁にして私の当体を築き上げようとした試みは、空しい失敗に終らねばならなかった。....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ために、ニュートンの出現以前に行われた宇宙開闢論的観念の歴史的発達を調べるような機縁に立至ったので、このついでにこの方面における私の知識を充実させれば、それによ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
へ、返事のないのに焦れた為か、もっと迫った気持の追加が出来て、銀座で接触したのを機縁として、唯むやみにもう一度かの女に会い度いという意慾の単独性が、露骨に現われ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。けれども、僕の予感が狂わない限りは、仮令現象的に解決してもだよ。今日の出来事を機縁として、この事件の目隠しが実に厚くなるだろうと思われるのだ。あの水煙――それ....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
る大切である。且其の焼けた一冊が他日の大発明家、大文学家、乃至大建築家を作るべき機縁を持っていたかも解らない。何千部何万部刷ろうとも失われた一冊は日本文化に取っ....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
ぼえています。 「既報“人生紙芝居”の相手役秋山八郎君の居所が奇しくも本紙記事が機縁となって判明した。四年前――昭和六年八月十日の夜、中之島公園の川岸に佇んで死....
」より 著者:織田作之助
う思う豹一にももともとそれが必要だったのだ。記念祭の夜応援団の者に撲られたことを機縁として、五月二日、五月三日、五月四日と記念祭あけの三日間、同じ円山公園の桜の....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
におのずから気品が備っていたように覚えている。 この「うま酒の歌」が重ね重ねの機縁となって鶴見を刺戟した。刺戟されたのは久しく眠っていた製作欲である。鶴見は物....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
、従軍中しばしば清廷の宗室大官と親近する中に計らずも粛親王の知遇を得たのが青雲の機縁となった。事件落着後清廷が目覚めて改革を行わんとするや、川島は粛親王府に厚聘....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ひらかすことが、ちょっとやそっとのことでできるものでないということを深く理解する機縁がこれによって与えられるならば、過去の日本の文芸と文芸家とも、国華としての誇....