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機鋒
「機鋒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
機鋒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
。そこでこの煮つめたところ、煎じつめたところが沙翁の詩的なところで、読者に電光の
機鋒《きほう》をちらっと見せるところかと思います。これは時間の上の話であります。....
「草枕」より 著者:夏目漱石
になったじゃて」 「へええ、どうもただの女じゃないと思いました」 「いやなかなか
機鋒《きほう》の鋭《する》どい女で――わしの所へ修業に来ていた泰安《たいあん》と....
「倫敦消息」より 著者:夏目漱石
もない。自分がきめているばかりだ。自分がきめてもいいから楽ができなかった時にすぐ
機鋒《きほう》を転じて過去の妄想《もうそう》を忘却し得ればいいが、今のように未来....
「明暗」より 著者:夏目漱石
津田に突然であった。そうしてその強い調子が、どこまでも冷笑的に構えようとする彼の
機鋒《きほう》を挫《くじ》いた。お延にはなおさらであった。彼女は驚ろいてお秀を見....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
画才が頓挫《とんざ》して一向《いっこう》振わなくなったのも全くあの時からだ。君に
機鋒《きほう》を折られたのだね。僕は君に恨《うらみ》がある」
「馬鹿にしちゃいけ....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
三斎老人はやはり、芸道の話をしきりにしかけて来るが、その和らかい言葉がふくむ鋭い
機鋒は驚くばかりで、浜川旧代官は、邪智《じゃち》深さで随一、横山というのは、狡猾....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
より現はれ出でし半面鬼相の荒くれ武士、物をも云はず虹汀に斬りかゝる。虹汀、修禅の
機鋒を以て、身を転じて虚を斬らせ、咄嵯に大喝一下するに、彼の武士白刃と共に空を泳....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
お松のことを、誰いうとなくお嬢様で通っている。お松が現われると、すっかり谷蔵の
機鋒《きほう》が鈍《にぶ》ってしまうのが不思議であります。 「与八さん、そんな悪....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ょう》で、会下《えげ》に掛錫《かしゃく》する幾万の雲衲《うんのう》を猫の子扱い、
機鋒|辛辣《しんらつ》にして行持《ぎょうじ》綿密、その門下には天下知名の豪傑が群....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
感じないわけにはゆきません。 実は、不安を感ずるのはいけないのだけれど、最初の
機鋒を最後まで通して、女が泣こうが、追いすがろうが、立ちどまろうが、退こうが、押....
「三国志」より 著者:吉川英治
。――加うるにその水軍は、北国そだちの水上不熟練の勢が大部分です。ひとたび、その
機鋒を拉がんか、もともと、荊州の軍民は、心ならずも彼の暴威に伏している者ばかりで....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
特に、天皇|後醍醐は、お気も烈しい。 まだ、法皇|後宇多が御在世のうちは、その
機鋒も、多分にひそめておいでだったが、この年六月、御父の法皇がみまかられた後は、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ノ膠着久シキコト、ソレ無策カ、過怠カ。 即刻、死力ヲ惜マズ、賊寨ヲ粉砕シテ、ソノ
機鋒ヲ、山陰中国ノ変ニ転ゼシメヨ。 いかにも、幕府部内のあわてぶりやら、またこ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
えらび、残る兵をもって、死にものぐるいの一戦をとげに来たものと思わるる。――が、
機鋒を交わして、柔軟にあしらいおき、十重二十重のうちに撃つは何の造作でもない。だ....
「美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
階の両側に、列を作して、尼を待った。禅門の習いで、法問答を行うのが例であり、尼の
機鋒の鋭さを知っているので、日頃、尼に振られていた業腹な連中も手ぐすね引いていた....