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檀紙
「檀紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
檀紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
お粂が伏見屋から分けてもらって来た紙の中には、めずらしいものもある。越前産の大高
檀紙と呼ぶものである。先代伊之助あたりののこして置いて行ったものと見えて、ちょっ....
「かげろうの日記」より 著者:堀辰雄
言い合っていた。ふと見ると、それはいつもあの方が朝ごとにお飲みなすっていた御薬が
檀紙《たとうがみ》の中に挿まれたままになって出て来たのだった。私はそれを受け取っ....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
ないので、わずか七回でもって、その全部を同月二十一日までに講了した。そこで実隆は
檀紙《だんし》十帖、布一段を謝礼として種玉庵に遣わしたけれども、宗祇はかたく辞し....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ないか」 こうは言ったが、受け取った源氏は当惑した。もう古くて厚ぼったくなった
檀紙《だんし》に薫香《くんこう》のにおいだけはよくつけてあった。ともかくも手紙の....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ら教えてもらうことがあるので滞留しますが、あなたはどうしていますか。 などと
檀紙に飾り気もなく書いてあるのが美しかった。 あさぢふの露の宿りに君を置きて四....
「源氏物語」より 著者:紫式部
われます。柄にもない風流気を私の出しましたことをお許しください。 とあった。
檀紙に古風ではあるが書き方に一つの風格のある字で書かれてあった。なるほど風流気を....
「源氏物語」より 著者:紫式部
いて置いて見るのがおもしろいのであるが、この人は古紙屋紙《ふるかんやがみ》とか、
檀紙《だんし》とかの湿り気を含んで厚くなった物などへ、だれもの知っている新味など....
「源氏物語」より 著者:紫式部
きりなのである。末摘花女王《すえつむはなにょおう》の手紙は香の薫《かお》りのする
檀紙《だんし》の、少し年数物になって厚く膨《ふく》れたのへ、 どういたしましょ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
悪も感じながら、返事をしないことも人に怪しませることであるからと思って、分の厚い
檀紙に、ただ短く、 拝見いたしました。病気をしているものでございますから、失礼い....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ない姫君なのである。入道の手紙は若い心に無気味なこわい気のされるようなことが、古
檀紙の分厚い黄色がかった、それでも薫物の香の染んだのへ五、六枚に書かれてあるのを....
「源氏物語」より 著者:紫式部
る、あなたが尼におなりになったということもまた悲しく承っているというようなことを
檀紙五、六枚に一字ずつ鳥の足跡のように書きつけてあって、 目の前にこの世をそむく....
「源氏物語」より 著者:紫式部
身体をそこねまして、まだ癒らない私は、どうしても出かけられませぬ。 と、二枚の
檀紙に続けて書いた手紙を添え、今夜の祝儀の酒肴類、それからまた縫わせる間のなかっ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
のお礼はお目にかかれます時に自身で申し上げたいと思います。 という文であった。
檀紙の上の字も見栄をかまわずまじめな書きぶりがしてあるのであるが、それもまた美し....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
語ってくれるものの一つであります。烏山近くに向田という部落があって、ここで出来る
檀紙に野趣のあるのを見かけました。こういう世に知られていない小さな工房で、しばし....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
此紙を如何な紙と思し召す、はりまだんぜかかしま紙か、おりめにそたひ遊はし ○播磨
檀紙にや。 一 あふぎのお所いぢくなり、あふぎの御所三内の宮、内てすめるはかなめ....