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「檜木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

檜木の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
彼が巴里から持って帰った荷造りの箱板を材料にした旅の記念で、蓋《ふた》だけを別の檜木《ひのき》の板で造らせたものであった。 「あの本箱の蓋の裏へお前に何か描いて....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
心得ませえ」 四「はっ」 權「ほう」 目付「權六其の方昨夜外庭見廻りの折、内庭の檜木山の蔭へまいる折柄、面部を包みし怪しき侍|体のものが、内庭から忍び出で、お手....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
何かというと二人は村のことに引っぱり出されるが、そんなけんかは取り合わなかった。檜木、椹、明檜、高野槇、※――これを木曾では五木という。そういう樹木の生長する森....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
仰いで、木曾名物の手工業に親代々からの熟練を見せているのもそこだ。そこで造らるる檜木笠の匂いと、石垣の間を伝って来る温暖な冬の清水と、雪の中にも遠く聞こえる犬や....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
出し方を申し付けられたところもある。 清助は言った。 「半蔵さま、御覧なさい。檜木類の枝を伐採する場所と、元木の数をとりしらべて、至急書面で届け出ろとあります....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
どの希望を多くの民に抱かせたことか。半蔵らが山林に目をつけ、今さらのように豊富な檜木、椹、明檜、高野槇、それから※などの繁茂する森林地帯の深さに驚き、それらのみ....
」より 著者:島崎藤村
も譲って頂きましょうか」 「あの張板なぞは、宅でまだ川向に居ました時分、わざわざ檜木で造らせたんですよ。長く住む積りでしたからねえ。とにかく、道具屋に一度見せま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
或る時、壬生の新撰組の屯《たむろ》の前へ、みすぼらしい坊主が、一蓋《いちがい》の檜木笠《ひのきがさ》を被って、手に鉄如意《てつにょい》を携えてやって来て、新撰組....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
の上に石コロを載せている、松林の間から、北の方に、藍※と透き通る、雪袴を着けて、檜木笠を冠った女たちが、暑い日盛りを、林の中で働いている、林を出切ると、もう梓川....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
双ヶ|岡 「物|申う、案内申う。あるじの御坊おわすか。」 うす物の被衣の上に檜木笠を深くした上※ふうの若い女が草ぶかい庵の前にたたずんで、低い優しい声で案内....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
左の足が、ずぶずぶと砂に潜った。あッと抜くと、右の方がざくりと潜る。わあと※く、檜木笠を、高浪が横なぐりに撲りつけて、ヒイと引く息に潮を浴びせた。 杖は徒に空....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
六年も暮れ、翌年改元して宝永元年の春になった。慧鶴が清水の土地を思い切り、美濃の檜木の瑞雲寺へ入って馬翁という詩僧に従ったのは、勿論、娘と得体の判らぬ心理の関係....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
一つであります。 同じ木曾で飯田にぬける山街道に蘭と呼ぶ小さな村があります。「檜木笠」を編むので名がありますが、それよりこの村で面白い漆器の片口を作ります。珍....