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「檜笠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

檜笠の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
陽の色も白いほどに冴《さ》え返った光線を、深々と戴《いただ》いた一重《ひとえ》の檜笠《ひのきがさ》に凌《しの》いで、こう図面を見た。」 旅僧《たびそう》はそう....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
明荷葛籠の蒲団の上なぞよりも、馬の尻の軽い方を選び、小付荷物と共に馬からおりて、檜笠の紐を解いたところは、いかにもこの人の旅姿にふさわしい。 「やあ。」 正香....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
温泉のほかに、この土地では薬種が採れる、瓜《うり》の根から粉がとれる、名物の檜笠《ひのきがさ》と白箸《しろはし》とは土地の有力なる物産である、それから山で茸....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
髭、思い思いの面を被り、括袴、脚絆、腰帯、水衣に包まれ、揃って、笠を被る。塗笠、檜笠、竹子笠、菅の笠。松茸、椎茸、とび茸、おぼろ編笠、名の知れぬ、菌ども。笠の形....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
じゃ、とおっしゃってはなりません。このお前様。」 と、法師の脱いで立てかけた、檜笠を両手に据えて、荷物の上へ直すついでに、目で教えたる葭簀の外。 さっくと削....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
きいるだけの姿勢にいる。しかも、不破の関守氏も御免を蒙《こうむ》って、一種風雅な檜笠をかぶっているが、これは日を避けんがための実用として容赦さるべきにかかわらず....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、すうーっと辷り出して来た小舟の中に、例のめくら縞に赤い帯、青い襷《たすき》で、檜笠をかぶった乙女が一人――乙女と言いたいが、もう二十四五の、かっぷくのいい、色....
明治三十二年頃」より 著者:寺田寅彦
れたが、自分が九歳の頃東海道を人力車で西下したときに、自分の乗っていた車の車夫が檜笠を冠っていて、その影が地上に印しながら走って行くのを椎茸のようだと感じたと見....
」より 著者:寺田寅彦
こんな風であるから、これも自分には覚えておらぬが横浜から雇った車夫の中に饅頭形の檜笠を冠ったのがあったそうだ。仕合せに晴天が続いて毎日よく照りつける秋の日のまだ....