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檸
「檸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
檸の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「檸檬」より 著者:梶井基次郎
》だった。 その日私はいつになくその店で買物をした。というのはその店には珍しい
檸檬《れもん》が出ていたのだ。
檸檬などごくありふれている。がその店というのも見す....
「明暗」より 著者:夏目漱石
ればならないという気がした。彼は自分の前に置かれた紅茶茶碗の底に冷たく浮いている
檸檬《レモン》の一切《ひときれ》を除《よ》けるようにしてその余りを残りなく啜《す....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ああ、あのブラッド洋橙のことを仰言るのでしょう。それで、きっと貴方は、私が嚥んだ
檸檬水の麦藁から、石鹸玉が飛び出したとでも……。いいえ私は、麦藁を束にして吸うの....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、春雨を十分に吸うた紫がかった土の黒、乙女の頬に匂う桜色、枇杷バナナの暖かい黄、
檸檬月見草の冷たい黄、銀色の翅を閃かして飛魚の飛ぶ熱帯の海のサッファイヤ、ある時....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
させていた。そこにはまた肉が厚く色の黒ずんだノーフオーク産の林檎があって、蜜柑や
檸檬の黄色を引き立たせたり、その露気の多い肉の締った所で、早く紙袋に包んでお持ち....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
人街にある。 まず市場。 果物市場。 パイナップルと青香|樒の雄大な山脈。
檸檬・檳榔樹の実・汁を含んだ蕃爪樹・膚の白い巨大なココナッツ・椰子玉菜・多液性の....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
んけちで鼻をかんでから私の妻に言った。 『奥さま。お茶へは何をお入れになります?
檸檬よりも「|彼の主人の声」の蓄音機レコードのほうが宜しう御座いますわ。お茶のな....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
間では、いまや霞のような巴旦杏《アマンド》の花盛り、暖い太陽の下では枝もたわわに
檸檬《シトロン》が色づき、背景には雪の山頂をきらめかすアルプスの連峰、コルクと松....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ダジュウル》の人口をことごとくここに集めたかと思わるる盛況。 やがて定刻間近く
檸檬《シトロン》と夾竹桃《ロオリエ・ロオズ》におおわれたるボロン山の堡塁《ほうる....