»
檻
「檻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
檻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
た事もある。が、打っているうちに、蹴っているうちに、おれはいつでも、おれ自身を折
檻《せっかん》しているような心もちがした。それも無理はない。おれの二十年の生涯《....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
います。その時の大殿様の御機嫌の悪さと申しましたら、今にも御手の扇が上って、御折
檻《ごせっかん》くらいは御加えになろうかと、私ども一同が胆《きも》を冷すほどでご....
「白」より 著者:芥川竜之介
|大狼《おおおおかみ》は二十五日(十月)午後二時ごろ、突然|巌乗《がんじょう》な
檻《おり》を破り、木戸番《きどばん》二名を負傷させた後《のち》、箱根《はこね》方....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
娘に行儀を教えるのにやかましかった。殊に枕《まくら》をはずすことにはその都度|折
檻《せっかん》を加えていたらしい。が、近頃ふと聞いた話によれば、娘はもう震災前に....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
主人は時々振り返りながら、この家にいるのは琉球人《りゅうきゅうじん》だとか、あの
檻《おり》には豕《いのこ》が飼ってあるとか、いろいろ教えて下さいました。しかしそ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
立つような、恐しい目にあわせるのです。が、それよりもさらにつらいのは、そう云う折
檻《せっかん》の相間《あいま》相間に、あの婆がにやりと嘲笑《あざわら》って、これ....
「或る女」より 著者:有島武郎
うしてやるぞといって、わたしを押えつけて心臓でも頭でもくだけて飛んでしまうほど折
檻《せっかん》をしてくれたらと思うんですの。どの人もどの人もちゃんと自分を忘れな....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
い淋しさに襲われるのを知りぬいていながら、激しい言葉を遣《つか》ったり、厳しい折
檻《せっかん》をお前たちに加えたりした。
然し運命が私の我儘《わがまま》と無理....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
うてんだとよ。 二人来やがった。例の御説教だ集まれてんで、三号の倉庫に狼が羊の
檻の中に逐い込まれた様だった。其の中に小羊が二匹来やがった。一人は金縁の眼鏡が鼻....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
て黙っていたが、島田を簪で畳の上へ縫ったように手をついた。 「辻町さん……私を折
檻して、折
檻して下さいまし。折
檻して下さいまし。」 「何、折
檻。」 「ええ。」 ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
後の生活状態、死後の向上進歩を無視するのは野蛮である。未発達の怒れる魂を、肉体の
檻から引き出して、自由自在に暴ばれさせるは愚である。すべて地上の人達は、いかに犯....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
くと、うす暗いプラットフォオムにも、今日は珍しく見送りの人影さえ跡を絶って、唯、
檻に入れられた小犬が一匹、時々悲しそうに、吠え立てていた。これらはその時の私の心....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
っていた。苦しむほうの腕白小僧にしてみればまったくありがた迷惑なことだが、彼は折
檻をしたあとでは、かならず「おまえは生きているかぎりはこのことを思い出して、あり....
「山吹」より 著者:泉鏡花
れます。それにつけても、はい、昔の罪が思われます。せめて、朝に晩に、この身体を折
檻されて、拷問苛責の苦を受けましたら、何ほどかの罪滅しになりましょうと、それも、....
「活人形」より 著者:泉鏡花
下枝を捉えて妻にせん。我心に従えと強迫すれど、聞入れざるを憤り、日に日に手暴き折
檻に、無慙や身内の皮は裂け、血に染みて、紫色に腫れたる痕も多かりけり。 下枝は....