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「檻房〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

檻房の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女の決闘」より 著者:太宰治
の口供が故意にしたのであったと云う事は、後になって分かった。 或る夕方、女房は檻房《かんぼう》の床の上に倒れて死んでいた。それを見附けて、女の押丁《おうてい》....
党生活者」より 著者:小林多喜二
行していた。ところが「フウテンのゴロ」というのが脅迫罪でN署に引っ張られたとき、檻房《かんぼう》で偶然太田と一緒になった。それでフウテンのゴロが出て来るときに、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
っている。 過ぐる五日の暗さ。彼は部屋に戻っていろいろと片づけ物なぞしながら、檻房の方に孤坐した時の自分のこころもちを思いかえした。彼の行為が罪に問われようと....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
して、嚥下した真鍮煙管―― ――素手で引裂いた錻力板―― ――女患者が捻じ曲げた檻房の鉄柵―― ……といったようなモノスゴイ品物が、やはり狂人の作った優美な....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
そのじっとしているに堪え切れないその健康すぎるほど活力に満ちた体を抱いて、小さな檻房の中に押し込まれているのです。そのことを思いやると、本当に可哀そうでした。 ....
その人を知らず」より 著者:三好十郎
クリして)はい、あの、どうか入れてください。掃除すみましたから―― 監守 え?(檻房をチラッと見て)いや、お前はなんだ、待避壕の方へ来てもいいよ。ここは、あぶな....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
かも、この二人はすでに組しやすそうなところを見せている。そこで、二人はべつべつの檻房で無慈悲に追及された。両方とも自分の無実を庇うために、やすやすと仲間の罪をい....
女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
その口供が故意にしたのであったという事は、後になって分かった。 ある夕方女房は檻房の床の上に倒れて死んでいた。それを見附けて、女の押丁が抱いて寝台の上に寝かし....
三国志」より 著者:吉川英治
帰った。猛獣でも眼を眩すほどな神経があるものかと、蜀の諸大将は笑い合って、彼の仮檻房を覗いて通った。 その夜、孔明は、諸将と会して、話の末に、 「趙雲はたいへ....
或る少女の死まで」より 著者:室生犀星
しぎにしかも別人のような心持でながめていた。他に拘留二、とあった。 巡査はOに檻房の中に入るように言った。Oはしかめ面をしながら、小さな入口から這入りかけると....