櫓拍子[語句情報] » 櫓拍子

「櫓拍子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

櫓拍子の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
て流れて居る。東は太平洋、雲間漏る夕日の鈍い光を浮べて唯とろりとして居る。鰹舟の櫓拍子が仄かに聞こえる。昔奥州へ通う浜街道は、此山の上を通ったのか。八幡太郎も花....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
ずれの船からも陣鉦、法螺の貝などを鳴らし立てて、互いにその友伴れをあつめ、帰りは櫓拍子に合わせて三味線の連れ弾きも気勢いよく、歌いつ踊りつの大陽気、相伴の船夫ま....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
明神の兀天窓、光る光る、と追従云うて、あか柄杓へまた一杯、煽るほどに飲むほどに、櫓拍子が乱になって、船はぐらぐら大揺れ小揺れじゃ、こりゃならぬ、賽が据らぬ。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
き直りました。 それは彼の俊敏な五官の一つに響いて来たものの音、やや遠く近く、櫓拍子《ろびょうし》の音が、この海から聞え出したからです。 そこで、くるりと海....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
乗り出したのです。 勢いよく、小舟の櫓《ろ》を押しきっている宇治山田の米友は、櫓拍子につれて、 十七姫御が 旅に立つ それを殿御が 聞きつけて とまれ とま....
初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
ばかり。ああそれさえ瞬きをする間,娘の姿も、娘の影も、それを乗せて往く大きな船も櫓拍子のするたびに狭霧の中に蔽われてしまう,ああ船は遠ざかるか、櫓の音ももウ消え....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
東へむかって、帰りの航海についた。くたびれてはいるが、宝島の発見で、元気が出て、櫓拍子も勇ましく漕ぎ進んだ。 夕ぐれとなって、太陽が水平線にしずむと、西の空に....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ある。艫幕いッぱいに風をはらむかと思うと、やがて、颯! 颯! 颯! 二十四|挺の櫓拍子が、音頭と共に快く波を切った――。 「有村殿! 有村殿!」 こう呼んだの....