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櫛
「櫛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
櫛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
諸国|銘葉《めいよう》」の柿色の暖簾《のれん》、「本黄楊《ほんつげ》」の黄いろい
櫛形《くしがた》の招牌《かんばん》、「駕籠《かご》」の掛行燈《かけあんどう》、「....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
れから錦襴《きんらん》の帯、はこせこの銀鎖、白襟と順を追って、鼈甲《べっこう》の
櫛笄《くしこうがい》が重そうに光っている高島田が眼にはいった時、私はほとんど息が....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
》へ来て見ますと、成程山の中程に大きな洞穴《ほらあな》が一つあって、その中に金の
櫛《くし》をさした、綺麗《きれい》な御姫様《おひめさま》が一人、しくしく泣いてい....
「影」より 著者:芥川竜之介
た。が、戸に錠の下りている事は、すぐにそのノッブが教えてくれた。
すると今度は
櫛《くし》かピンかが、突然ばたりと落ちる音が聞えた。しかしそれを拾い上げる音は、....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ないと云えば昔の着物は、一つもこっちへは持って来なかったかい?」
「着物どころか
櫛簪《くしかんざし》までも、ちゃんと御持参になっている。いくら僕が止せと云っても....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
さを殺《そ》がれていた。なぜといえば、その都市の人々は必ずその川の流れに第三流の
櫛形《くしがた》鉄橋を架けてしかもその醜い鉄橋を彼らの得意なものの一つに数えてい....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
差図通り、すぐに母の鼻の先へ坐った。
「何か用?」
母は括《くく》り枕の上へ、
櫛巻《くしま》きの頭を横にしていた。その顔が巾《きれ》をかけた電燈の光に、さっき....
「死後」より 著者:芥川竜之介
の上の葉桜の枝さえきのう見た時の通りだった。が、新らしい標札《ひょうさつ》には「
櫛部寓《くしべぐう》」と書いてあった。僕はこの標札を眺めた時、ほんとうに僕の死ん....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
は早速|巫女《みこ》に命じて、神々の心を尋ねさせた。すると意外にも、ここにいる、
櫛名田姫《くしなだひめ》と云う一人娘を、高志《こし》の大蛇《おろち》の犠《いけに....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
一
僕の母は狂人だった。僕は一度も僕の母に母らしい親しみを感じたことはない。僕の母は髪を
櫛巻《くしま》きにし、いつも芝の実家にたった一人|坐《すわ》りながら、長煙管《な....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
根がたに、縄《なわ》が一筋落ちて居りました。それから、――そうそう、縄のほかにも
櫛《くし》が一つございました。死骸のまわりにあったものは、この二つぎりでございま....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
返《いちょうがえ》しの鬢《びん》のあたりも、まだ濡れているのかと思うほど、艶々と
櫛目《くしめ》を見せています。それが濡手拭と石鹸の箱とをそっと胸へ抱くようにして....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いましたが、その頃はモー床に就き切りなので、見る影もなくもつれて居ました。香織は
櫛で解かしながらも、『折角こうしてきれいにしてあげても、このままつくねて置くのが....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
た新青年の夢野久作ものするところの、あの古博多の川端――筆者の産れた――あたりと
櫛田神社の絵馬堂を織り込ンだ『押絵の奇蹟』だったのである。 久作さんはかくして....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
みすぼらしい木造に変っていた。この鉄橋の出来たのはまだ僕の小学時代である。しかし
櫛形の鉄橋には懐古の情も起って来ない。僕は昔の両国橋に――狭い木造の両国橋にいま....