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「櫛形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

櫛形の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
諸国|銘葉《めいよう》」の柿色の暖簾《のれん》、「本黄楊《ほんつげ》」の黄いろい櫛形《くしがた》の招牌《かんばん》、「駕籠《かご》」の掛行燈《かけあんどう》、「....
松江印象記」より 著者:芥川竜之介
さを殺《そ》がれていた。なぜといえば、その都市の人々は必ずその川の流れに第三流の櫛形《くしがた》鉄橋を架けてしかもその醜い鉄橋を彼らの得意なものの一つに数えてい....
星座」より 著者:有島武郎
たが、もう九日ぐらいだろうかと思われる上弦というより左弦ともいうべきかなり肥った櫛形《くしがた》の月が、川向うの密生した木立の上二段ほどの所に昇っていた。月より....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
窓《かとうまど》や木瓜窓《もっこうまど》の曲線を好まない。欄間《らんま》としても櫛形《くしがた》よりも角切《かくぎり》を択ぶ。しかしこの点において建築は独立な抽....
蟇の血」より 著者:田中貢太郎
ましょう」 「僕こそ、以後よろしくお願いいたします」 讓の帽子を受け執った婢が櫛形の盆に小さな二つのコップと、竹筒のような上の一方に口がつき一方に取手のついた....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
カッと、金色の光が刎ねた。朝の太陽がいつのまにか叡山連峰の山間から、つと真っ紅な櫛形の角をあらわしているのだった。 「待てッ。武蔵」 「醜し!」 「背を見せる法....
私本太平記」より 著者:吉川英治
行った。 「…………」 始終の様子を、その物音の遠くになる果てまでを、殿上の“櫛形の窓”のあたりで聞きすましていた女性がある。准后の廉子であった。 彼女の影....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
みすぼらしい木造に変っていた。この鉄橋の出来たのはまだ僕の小学時代である。しかし櫛形の鉄橋には懐古の情も起って来ない。僕は昔の両国橋に――狭い木造の両国橋にいま....