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櫛笥
「櫛笥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
櫛笥の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
後主猴の事に感じ死刑を減じ流罪に止《とど》めた(『類函』四三二)。 日本にも、
櫛笥殿北山大原の領地で銃もて大牝猴を覘《うかが》うに、猴腹を示し合掌せしにかかわ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ろしいでしょうか、許していただければいいと思います。 ふたかたに言ひもてゆけば玉
櫛笥わがみはなれぬかけごなりけり と老人の慄えた字でお書きになったのを、ちょう....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
を安み明けて行かば君が名はあれど吾が名し惜しも」(巻二・九三)という歌を贈った。
櫛笥の蓋をすることが楽に出来るし、蓋を開けることも楽だから、夜の明けるの「明けて....
「水の女」より 著者:折口信夫
上体をも掩うものとなったらしいが、古くはもっと小さきものを重く見る時代が来て、御
櫛笥殿の方に移り、そこに奉仕する貴女の待遇が重くなっていった。 この沐浴の聖職....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ぞ聞く 胸は富士袖は清見が関なれや烟も波もたたぬ日ぞなき 我が恋は蓋見かはれる玉
櫛笥いかにすれども合ふかたぞなき これはみな『詞花集』の歌であるが、こうした狂歌....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
三位ノ局、阿野|廉子は、仰せと聞くと、いま夕化粧もすましたばかりなのに、もいちど
櫛笥ノ間へ入って、鏡をとりあげ、入念に黛や臙脂をあらためてから立った。 そして....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
。 で、小宰相の方も、能登ノ介清秋を、こわらしい武者などと恐れてはいず、今も、
櫛笥をとりかたづけて、すぐ濡れ縁へ寄っていた。 「お美しいなあ、いつも」 能登....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
と、念を押すように言っている。 藤夜叉は、化粧を直していたのである。すました
櫛笥などを片寄せながら、さりげなく簾の蔭で答えていた。 「え、藤夜叉です。そなた....