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欝積
「欝積〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
欝積の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
になりました。だが一方において人間性を没却したことは、国民の身体の中にある毒素の
欝積をもたらしています。それは日夜積み重なって、今にきっと爆発点に達するでしょう....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
あないよ。君達は、あのフィラリヤって言う寄生虫のために淋巴管が閉塞がれて、淋巴の
欝積を来した場合だとか、或は又、一寸した傷口から連鎖状球菌の浸入に依って、浮腫性....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
憂欝となり絶望的となる。その果ては、気の弱い者なら自殺に走り、気の強いものなら、
欝積している気持ちを、突発的に爆発させて、兇暴の行為をするようになる。左門の場合....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
な現象のよって起こる訳を合点した。 太陽が外面の皮殻を衝き破られたのだから、中に
欝積しているエネルギーの原元子が爆発して、殆ど光線の速力にも比すべき力を以て飛散....
「上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
渓水は氾濫し、焼くが如き炎日は直射し、日本アルプス第一の美麗なる峡谷は、荒廃し、
欝積熱烈の緑の焔は、白ッちゃけた灰になり、その上に焼岳の降灰が積もって、生々|欣....
「妻」より 著者:神西清
克ちがたい牽引を感じるのが常で、どっちからともなくいっしょになって、平生から胸に
欝積していたあらん限りのダイナマイトを爆発させたものであった。今も、イ※の為すこ....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
不安の情が九月一日の首山堡占領の二号活字でたちまちにしてとかれたと思うと、今度は
欝積した歓呼の声が遼陽占領の喜ばしい報につれて、すさまじい勢いで日本全国にみなぎ....
「道化役」より 著者:豊島与志雄
ついが、立派な夫人姿だった。私は彼女の手紙の文句を思い浮べながら、そして胸の中の
欝積を新たにしながら、二十間ばかり間をおいてつけていった。十字街にさしかかった時....
「女客一週間」より 著者:豊島与志雄
るのだ。そして彼の眼は、また塑像の方へ向けられる。何かしら或る苛立ちが、彼の胸に
欝積してくる……。 そうした苛立ちもあって、彼は或る晩、友人に誘わるるまま、ひ....
「古井戸」より 著者:豊島与志雄
時、心のどこかに殺意が動きかけたことを、彼は後になってはっきり思い出した。気持が
欝積してくると、今にも何かが破裂するかも知れないような気がした。夜分、松木が階下....
「繻珍のズボン」より 著者:宮本百合子
く生れついた美人の祖母にとって、学者で病弱で、しかも努力家であった良人の日常は、
欝積するものもあったろう。祖父はお千賀、お前は親に似ない風流心のない女だな、とよ....