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欠く
「欠く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
欠くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
加《アメリカ》の女優に似ているから、ミス・メリイ・ピックフォオド。このカッフェに
欠くべからざるものだから、角砂糖。ETC. ETC.
この店にはお君さんのほか....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
っていた、まっ青な鴉《からす》を見たことがある。
作家
文を作るのに
欠くべからざるものは何よりも創作的情熱である。その又創作的情熱を燃え立たせるのに....
「弓町より」より 著者:石川啄木
その当人が自分は詩人であると思ってはいけない、いけないといっては妥当《だとう》を
欠くかもしれないが、そう思うことによってその人の書く詩は堕落《だらく》する……我....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
り捨ててしまったお前の部分は、今は本当の価値を回復して、お前に取ってはやはり必要
欠くべからざる要素となった。お前の凡ての枝は、等しく日光に向って、喜んで若芽を吹....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
らかの火の存在が必要であることを述べている。そうしてこの火を燃やすには空気が必要
欠くべからざるものと考えられていたのである。ビュッフォンはまた『やはり灼熱してい....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
それには賛成ができない。元来、統制主義は余りに窮屈で過度の緊張を要求し、安全弁を
欠く結果となる。ソ連に於ける毎度の粛清工作はもちろん、ドイツに於ける突撃隊長の銃....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
があるまいか。 善人の罪を犯さないのは、その善人なるがゆえでなく、決行の勇気を
欠くためにしかるのではあるまいか。少しく我田引水に近いが僕の去年の境遇では、僕が....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
聞く。元来、竜神を驚かすために打鳴らすのであるから、三度のほかに騒がしては、礼を
欠く事に当る。…… 学円 その道理じゃ、むむ。 晃 鐘も鳴らせん……処で、不知案....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
有害である。しかしこれは祭日や、記念日が悪いのではなくて、これに臨む人間の用意に
欠くる所があるのである。若しも人々が国家の大祭日に当りて、肉体の休養と精神の慰安....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
る。して見れば菊池寛の作品を論ずる際、これらの尺度にのみ拠ろうとするのは、妥当を
欠く非難を免れまい。では菊池寛の作品には、これらの割引を施した後にも、何か著しい....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
ていてはらはらするようなことが多かつた。家の中でどんなむりをしても外へのお義理を
欠くまいとする妻は激しい勤労のあとでは決つて二、三日寝込んだ。こんなふうでは今に....
「人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
る声が聞こえるからもうこれくらいでよす。私の粗野な文章はあるいは死者に対する礼を
欠くところがあつたかもしれない。しかしかかる駄筆を弄したのも一にそれによつて山中....
「おびとき」より 著者:犬田卯
水と、絶えざる降雨のために、田も畑も殆んど無収穫で、三人の子供らの学用品にさえ事
欠くこの頃では、お義理のためにただ捨てる(実際、そう思われた)金など、一文も彼女....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
まして、吉田総理の非民主的な、封建的な行動は、民主的日本の総理として、その資格を
欠くものと断じ、われらが憲法を守り、総理の国会軽視を糾弾するのが、不信任案賛成の....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の協調を見る事が出来なかった。 我が国に於ては「統帥権の独立」なる文字は穏当を
欠く。「天子は文武の大権を掌握」遊ばされておるのである。もとより憲法により政治に....