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欠伸
「欠伸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
欠伸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
びた、白粉《おしろい》をつけない敏子である。男は妻の顔を見たまま、無遠慮に大きい
欠伸《あくび》をした。それからさも大儀《たいぎ》そうに、ハムモックの上へ体を起し....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ぎながら、身悶えしていたそうでございます。
するとこれを御覧になった若殿様は、
欠伸《あくび》まじりに御笑いになって、
「おお、大儀。大儀。それで予の腹も一先《....
「影」より 著者:芥川竜之介
ひざ》の三毛猫は、彼女の膝を飛び下りると、毛並みの美しい背を高くして、快さそうに
欠伸《あくび》をした。
「そんな気は誰でも致すものでございますよ。爺《じい》やな....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
と、頭を仰向《あおむ》けに垂らしたまま、白い物を吐《は》いたとか云うことだった。
欠伸《あくび》ばかりしているのもいけないらしかった。自分は急にいじらしい気がした....
「黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
いま》だに熟さないらしい。盧生は青磁の枕から頭をあげると、眼をこすりながら大きな
欠伸《あくび》をした。邯鄲《かんたん》の秋の午後は、落葉《おちば》した木々の梢《....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
った。だからその時間中、倦怠《けんたい》に倦怠を重ねた自分たちの中には、無遠慮な
欠伸《あくび》の声を洩らしたものさえ、自分のほかにも少くはない。しかし毛利先生は....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
。お前今夜|夜伽《よとぎ》をおしかえ?」
しばらく無言が続いた後、浅川の叔母は
欠伸《あくび》まじりに、こう洋一へ声をかけた。
「ええ、――姉さんも今夜はするっ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
us the Epicurean か。」と、冷笑するような声を出したが、やがて生
欠伸《なまあくび》を一つ噛《か》み殺すと、
「俊助ズィ・エピキュリアンの近況はど....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
出来た。今度は着る物を一枚くれい。」
彼は食事をすませると、こう云って、大きな
欠伸《あくび》をした。女は洞穴《ほらあな》の奥へ行って、絹の着物を持って来た。そ....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
のは、待合室の煖炉《だんろ》の前に汽車を待っていた時のことである。保吉はその時|
欠伸《あくび》まじりに、教師と云う職業の退屈《たいくつ》さを話した。すると縁無《....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
テエブルの前に坐《すわ》り、巻煙草《まきたばこ》に一本火をつける。それから大きい
欠伸《あくび》をする。顋髯を生やした主人の顔は紅毛人の船長と変りはない。
....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
若者どもの馬鹿話も自然と陰気な気分に押えつけられて、動《やや》ともすると、沈黙と
欠伸《あくび》が拡がった。
「一はたりはたらずに」
突然仁右衛門がそういって一....
「星座」より 著者:有島武郎
淡い無常を感じて、机からぬっくと立ち上りながら西山は高笑いを収めた。そして大きな
欠伸《あくび》をした。
* * *
その時清逸は茶の間に....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
後で夕飯に粥を食ったが、更にうまくなかった。体中がいやにだるくって、本を読んでも
欠伸ばかり出る。その中にいつか、うとうと眠ってしまった。 眼がさめて見ると、知....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
ってりゃ、飯が食えて行くんだと見えらあ。物の小半時も聞かされちゃ、噛み殺して居た
欠伸の御葬いが鼻の孔から続け様に出やがらあな。業腹だから斯う云ってくれた――待て....