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「欠損〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

欠損の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おさん」より 著者:太宰治
様子でした。けれども、その出版の仕事も、紙の買入れ方をしくじったとかで、かなりの欠損になり、夫も多額の借金を背負い、その後仕末のために、ぼんやり毎日、家を出て、....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
枚ながら抜けてしまった。 わたしの母は歯が丈夫で、七十七歳で世を終るまで一枚も欠損せず、硬い煎餅でも何でもバリバリと齧った。それと反対に、父は歯が悪かった。や....
足迹」より 著者:徳田秋声
隣の小さい借家へ逼塞してからであった。それまでに会社の方はパタパタになっていた。欠損を補うべき金や、下宿の資本を拵えると言って、叔父は暮に田舎へ逃げ出したきり、....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
とき、草も、木も、人も、室も、この中へと融合同化してしまう。そして、山体の完備を欠損するかの如くに見える放射状の側火山も、同心円の御中道も、輻射状の谷沢も、レイ....
脳の中の麗人」より 著者:海野十三
、もちろんあの手帖は宮川のものにちがいなかった。ただ手帖を記憶していた脳の部分が欠損したので、その記憶を失っただけのことだ。 この事件以来、博士は脳の移植手術をやることを好まなくなった。....
省察」より 著者:デカルトルネ
いであろう。 八 この上なく完全であると我々が理解し、そしてそのうちに何らかの欠損あるいは完全性の制限を含む何ものもまったく我々が把捉しない実体は、神(Deu....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
毎日数十円の利益を見て有頂天になっていたものが、今度は反対にその利益を吐き出して欠損を補い、それも出来なくなると、何しろ勢いに乗じて工場を拡張していただけに打撃....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
れはどうした訳だろうといろいろ詮索した。よく聞いて見ると、ここでは月々三百円位の欠損をしているが、この金額だけは市の補助を仰いでいたとのことである。この事情、普....
話の種」より 著者:寺田寅彦
なるものだそうな。この石の結晶の形から察する所、これはよほど巨大な金剛石の一半が欠損したものだろうという。これを採掘したプレミアー会社社長の名を取ってクリナンダ....
可愛い女」より 著者:神西清
これじゃ首をくくれというも同然だ! 身代限りをしろというも同然だ! 毎日えらい欠損つづきさ!」 彼はぴしゃりと両手を打ち合せると、オーレンカの方を向いて言葉....
地上」より 著者:島田清次郎
沢の市街で唯一の大工業である陶器会社に二、三年来種々の問題が起きて、三期も続いて欠損を続けているが、この六月職工の待遇でどうにかやりくりして五分の利益配当をやっ....
頭上の響」より 著者:北村四海
処とか、如何しても避けられぬ事、例えば他人から預っておいた彫刻品が、気候の為めに欠損が出来たとかいう様な、人力では、如何にも致方の無い事が起るのである、この談を....
はなしの話」より 著者:岡本綺堂
は二枚ながら抜けてしまった。 私の母は歯が丈夫で、七十七歳で世を終るまで一枚も欠損せず、硬い煎餅でも何でもバリバリと齧った。それと反対に、父は歯が悪かった。や....
火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
しがついている。それは同日附け、ダンスミールからの電報で、「シャスタの南東頂上が欠損してマック・クラウド谷が吹き飛ばされ、谷の痕跡が、一筋も残らない」などと、誇....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
、彼の関係している消費組合大阪共益社のこと、神戸購買組合のことが頭に浮び、毎月の欠損のことに気がもめるかのごとく考えられた。 淀屋橋筋は、全市のストライキがあ....