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欠食
「欠食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
欠食の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「縮図」より 著者:徳田秋声
貪り食べる子も、そうがつがつしなくなるのであった。子供によっては親元にいた時は、
欠食児童であり、それが小松川とか四ツ木、砂村あたりの場末だと、弁当のない子には、....
「ロシア革命は婦人を解放した」より 著者:宮本百合子
) 失業者は一人もいなくなった。(日本には三百万人を越える失業者が飢えている。
欠食児童は二十万人だ。他の国とともに資本主義国全体では四千万人以上の失業者が仕事....
「労働者農民の国家とブルジョア地主の国家」より 著者:宮本百合子
報は伝えている。が、勿論、殆んど医者になんぞかかることは出来ない。農漁村を通じて
欠食児童は、二十万に登っている。 福沢全国町村会長は自ら昨年長野県の農村の家計....
「『キング』で得をするのは誰か」より 著者:宮本百合子
活難で、どこの誰の爺さんと孫が実際こんなにヌクヌク安楽な目をして暮らしているか?
欠食児童なんか聞いたこともない。稼ぎてを戦争へ引っぱり出されたので、生きる手段を....
「「乳房」創作メモ」より 著者:宮本百合子
銭。十五銭。 支部長。五十銭。 ∥ 運転手が多い。 「俺の子供も
欠食児童だよ」 「まとめて救援してやるよ 出しな!」 〔欄外に〕支部長がいい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
供しないことの代りには、或いは折檻《せっかん》となり、或いは締出しとなり、或いは
欠食となって反応することを米友が知っていました。そういう場合には、米友は、自分の....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
らどし》にちなんだ張子《はりこ》の虎の絵が多かった。中々よく出来たのもある。例の
欠食猫をモデルにしてブザマ千万な猫を描き上げてそのかたわらに次の様な賛をした。 ....
「札幌まで」より 著者:寺田寅彦
は稲が一面に実って、もう刈入れるばかりになっているように見える。昨夜仙台の新聞で
欠食児童何百という表題の記事を見て来たばかりの眼には、この目前見渡す限りの稲の秋....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
礼、元来この節の日本人の飲み助どもときては、女よりは酒、少しでも安く酒、たゞもう
欠食児童なのだから、女などあてがうのはモッタイない。なまじ美女など坐らせておくと....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
でこれが見られるが、目下古橋一人であり、元々食物が粗悪なところへ、戦争このかたの
欠食状態であるから、馬力型の特級品が現れる可能性は当分甚しく心ぼそい。しかし、レ....
「千人針」より 著者:寺田寅彦
去年の暮から春へかけて、
欠食児童のための女学生募金や、メガフォン入りの男学生の出征兵士や軍馬のための募金....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
魚、煮魚とイキのよい魚のでるわ、でるわ。 東京ではもう物資欠乏の頃であったが、
欠食児ももてあまさざるを得ない豊富さであった。
欠食の都会人を憐んでもてなしてくれ....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
て腹を充たしているというのだ。従って、全村の小学校児童九百名のうち、四百名までは
欠食児童であるというのだ。この事実と、今の話、在満軍人慰問金との話とを思い合わせ....
「近頃感じたこと」より 著者:小川未明
は社会が、児童を擁護しなければならぬのは当然のことです。幼弱者虐待防止案といい、
欠食児童救済事業といい、このあらわれに他ありません。これとて多数者でなかったら、....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
る理由と事情とで、このごろのように三度三度の食事といい、二度しか食べない子どもを
欠食児童などというまでに、それがふつうの習わしになってしまったか、この点もあやま....