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「次の間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

次の間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
っとした気もちになり、お芳の顔を見ないように早速長火鉢の前を立ち上った。それから次の間を通りしなにもう一度「お芳さんが」と声をかけた。お鳥は横になったまま、夜着....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
はいつもの通りランプの前にあぐらをかいて、漫然と書見に耽《ふけ》っていると、突然次の間との境の襖が無気味なほど静に明いた。その明いたのに気がついた時、無意識にあ....
春の夜」より 著者:芥川竜之介
の界隈《かいわい》には小堀《こぼり》とか云う不良少年があってね、……」 すると次の間《ま》から声をかけたのはやはり床《とこ》についている雪さんである。しかもそ....
」より 著者:芥川竜之介
まうと、静に長椅子《ながいす》から立ち上った。そうして例の通り音もなく、まっ暗な次の間《ま》へはいって行った。 スウィッチを捻《ひね》る音と共に、次の間《ま》....
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
窓《むそう》だろう」と答えた。 ――すると急に目がさめた。蚊帳《かや》の中には次の間《ま》にともした電燈の光がさしこんでいた。妻は二つになる男の子のおむつを取....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
す。ところがかれこれ一時間ばかりすると、茂作の介抱をしていた年輩の女中が、そっと次の間の襖《ふすま》を開けて、「御嬢様ちょいと御隠居様を御起し下さいまし。」と、....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
話している内に、お絹はまだ顔を曇らせたまま、急に長火鉢の前から立上ると、さっさと次の間《ま》へはいって行った。 「やっと姉さんから御暇《おいとま》が出た。」 ....
路上」より 著者:芥川竜之介
がて定刻の午後六時が迫って来ても、容易に開かれる気色《けしき》はなかった。会場の次の間には、もう聴衆が大勢つめかけて、電燈の光も曇るほど盛に煙草の煙を立ち昇らせ....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
の雑誌へ毎月何か書かなければならぬ、その創作のことを指《さ》すのだった。 Mの次の間《ま》へ引きとった後《のち》、僕は座蒲団《ざぶとん》を枕にしながら、里見八....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
、やがて静に障子が開くと、梱《しきみ》越しに手をついた、やつやつしいお敏の姿が、次の間からさす電燈の光を浴びて、今でも泣いているかと思うほど、悄々とそこへ現れま....
百合」より 著者:芥川竜之介
べてしまえよ。二本芽でも赤芽でも好《い》いじゃないか。」 母はだだ広《びろ》い次の間《ま》に蚕《かいこ》の桑《くわ》を刻《きざ》み刻み、二三度良平へ声をかけた....
或る女」より 著者:有島武郎
どそれにしては記事の出かたが少し早すぎるて」 そういってやおら立ち上がりながら次の間に着かえに行った。 女中が膳部《ぜんぶ》を片づけ終わらぬうちに古藤が来た....
婦系図」より 著者:泉鏡花
と寄ると、英吉は一足引く。微笑みながら擦り寄るたびに、たじたじと退って、やがて次の間へ、もそりと出る。 道学先生 二十二 月の十二日....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、枕頭には蒔絵ものの煙草盆、鼻紙台も差置いた、上に香炉を飾って、呼鈴まで行届き、次の間の片隅には棚を飾って、略式ながら、薄茶の道具一通。火鉢には釜の声、遥に神路....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
神が、御自身御告げをなさるのですからね」 亜米利加人が帰ってしまうと、婆さんは次の間の戸口へ行って、 「恵蓮。恵蓮」と呼び立てました。 その声に応じて出て来....