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「次兄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

次兄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私の母」より 著者:堺利彦
の初めの妻は小石氏で、私の長兄平太郎を残して死んだ。そのあとに私の母が来て、私の次兄|乙槌《おとつち》と私とを生んだ。私の母が私を生んだのが四十二歳の時、兄を生....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「いらっしゃい」 「いや、わたしは履き物を買いに来たのじゃあねえ。神田三河町の徳次兄いに頼まれて来たのだが……。おまえさんは半介さんかえ」 「へえ、半介でござい....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
な不具の阿呆を誰が兄に持つものけ。 甚兵衛 どうするだ! どうするだ! 甚三 (次兄に加勢しながら)ええ、黙って、この中にすっこんでおれ! 甚作 (同じく手を貸....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
は、彼女を捨てたその男を呪ってやまなかった。中でも一番ふかい憤怒をいだいたのは、次兄にあたる人だった。次兄は彼女が幼いときから、特別に彼女を可愛いがっていたのだ....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
還俗させて家督を譲った。今川次郎|大輔義元である。処が此時横槍を入れたのが義元の次兄で、花倉の寺主|良真である。良真の積りでは兄である自分が家を継ぐべきなのに、....
堕落論」より 著者:坂口安吾
を経験したのだが、頭上の照明弾で昼のように明るくなった、そのとき丁度上京していた次兄が防空壕の中から焼夷弾かと訊いた、いや照明弾が落ちてくるのだと答えようとした....
織田信長」より 著者:坂口安吾
に勝ち征服したのである。 老蝮は足利義昭の兄の将軍を殺し、その母も焼き殺した。次兄も殺され、義昭のみは逃げのびて危いイノチを助かったのだ。老蝮こそは義昭のフグ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いう男子があったが、土彦はまだ結婚したばかりで、子がなかったのである。 水彦は次兄であるし、おまけに孫はその子の木々彦一人なのだから、文句なしに木々彦が本家の....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
頭の一寸法師の辰さんはあなた方の弟さんですか」 「いいえ、兄さんなんです。あれが次兄で、戦死したのが長男なんです。私たち二人は嫁いでますから働く必要もないのです....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
君のお父さんは出入したのだ。 この西村家にも不安な血があった。恭一君の伯父も、次兄も常人では無かった。一種の癇癪と誇大妄想とがあった。しかしこの二人の妄想家は....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
末弟に皇位を譲りたい下心があったからだそうだ。長兄は兄の方が可愛いいと答えたが、次兄は天皇の心を察して弟の方が可愛いいと答えた。天皇はよろこんで、次兄の言葉は正....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
出してきていたのです。以前から、ぼくは家の中で孤独でした。ぼくの家には、父と母、次兄と嫂、三兄、それにぼく、長兄は戦死して、六人暮しです。 こんなことがありま....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
太白二本で、広く狭く縫目を外にしてありました。 「ほととぎす殺しという所だね」と次兄のいわれましたのは、後年その話の出た時でした。それは殿の愛妾ほととぎすを憎ん....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
ものだと思いながら、ぼんやり庭を眺めていると、縁側に忙しそうな足音がして、実家の次兄、平松春樹が訪ねて来た。 「あら、お兄さん」 兄の顔を見ると急に甘えるよう....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
、若々しい怒りの爆発だったのかもしれない。 おりもおり、日露の役に出征していた次兄が戦傷がもとで病死、同年輩の知人が常陸丸で戦死したことなどをきくと、私の若い....