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「欧化〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

欧化の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
近時政論考」より 著者:陸羯南
模擬したりき。これ実に明治十七、八年より二十年に至るまでの事情にして、吾輩これを欧化時代と称すべし。第三期の政論派が第四期に移りたるは実にこの時代にあり、この期....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
の関係がなく、詩と散文とが別々に並行し、交互に没交渉で進んで来ている。故に近代の欧化した日本――果して真に欧化であるか?――に於ても、文壇の事情は同様であり、詩....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
から系統を引いているこのイデオロギーは、明治初年から二十年代にかけてまず第一に「欧化主義」に対する反対運動の形で著しく現われた。次にそれは日清日露の役を著しい契....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
。私の若い時代は江戸趣味どころか、かえって福沢諭吉先生の開明的な思想に鞭撻されて欧化に憧れ、非常な勢いで西洋を模倣し、家の柱などはドリックに削り、ベッドに寝る、....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
ぼると、人を悸えさせるような凄味を帯びて来るのは、実に偉いものだと感服した。時は欧化主義の全盛時代で、いわゆる文明開化の風が盛んに吹きまくっている。学校にかよう....
学生と読書」より 著者:倉田百三
この傾向からの脱却が獲得されはじめたくらいのものである。 これは明治維新以来の欧化|趨勢の一般的な時潮の中にあったものであり、自覚的には、思想的・文化的水準の....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
これをしも軽んじ、もしくは不感性の娘があるとしたら、それはその化粧法の如く心まで欧化してしまった異邦人の娘である。もう祖国の娘ではない。国土から咲いた花ではない....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
浸けたまま、戯曲を読み耽る冬夜の妻のくつろいだ心持。(ニ)は近代文芸の一特色なる欧化と都会色。鋭敏な市人の感覚である。二の替を見にゆく道すがら、幌にふる明るい春....
翻訳の生理・心理」より 著者:神西清
の言葉の描き出しているもう一面の苦《に》がい真理である。その面は、かりに知性の西欧化が実現されようとも、必ずしもそれで飜訳の道は、のんきに葉巻でもふかして行ける....
ハイカラ考」より 著者:木村荘八
えの壺焼 なんてマがいんでしょ という歌を、好んでうたった。 「ハイカラ」は欧化風俗のことであるから、この「欧化」という筋骨を度外視しては考えられず、欧化そ....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
あるいは岡焼半分に無礼な罵声を浴びせ掛けるものもあった。 その頃は既に鹿鳴館の欧化時代を過ぎていたが、欧化の余波は当時の新らしい女の運動を惹起した。沼南は当時....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
服を着る当時の新らしい女で、男とばかり交際していた。その頃は今より一層|甚だしい欧化熱の頂上に登り詰めた時代であって、青年男女の交際が盛んに鼓舞され、本郷神田辺....
四十年前」より 著者:内田魯庵
たが、上台閣の諸公から先きへ立って浮れたのだから上流社会は忽ち風靡された。当時の欧化熱の急先鋒たる公伊藤、侯井上はその頃マダ壮齢の男盛りだったから、啻だ国家のた....
日本文化の特殊性」より 著者:戸坂潤
思い出さねばならぬ。織豊時代の商業資本発達に基いた一時的な近代文化化(之を俗に西欧化と呼んでいる)は、たといそれが天主教的制限を有っていたにせよ、日本を近代化へ....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
にうまく調和させている。そしてそれは決して、翻訳的なものではなく、又は一時代前の欧化のように無理に似せたものでもなく、極めて自然な一種の美しさとなっている。つま....