» 欲も得も

「欲も得も〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

欲も得もの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
深川女房」より 著者:小栗風葉
間なんてものはなさそうですけど、今だって何じゃありませんか、惚れたのはれたのと、欲も得も忘れて一生懸命になる人もあるし、よくそんな話が新聞なぞにも出ているじゃあ....
女難」より 著者:国木田独歩
者の中でも別段に凝り固まり、間がな隙がな、尺八を手にして、それを吹いてさえいれば欲も得もなく、朝早く日の昇らぬうちに裏の山に上がって、岩に腰をかけて暁の霧を浴び....
可愛い女」より 著者:神西清
ちに母性の愛情がつよく燃えあがってゆく現在ほどに、彼女がなんの見さかいもなしに、欲も得もはなれて、しん底からのうれしい気持で、自分の魂をささげきる気になったこと....
三四郎」より 著者:夏目漱石
まに、ゆるんで、いつでも暗闇《くらやみ》へ浮き出してゆきそうに思われる。三四郎は欲も得もいらないほどこわかった。ただごうという一瞬間である。そのまえまではたしか....
狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
かに気の向く仕事もないけにのう」 「あんたはホンニ目明に生まれ付いた人じゃろう。欲も得もない」 「それでも清々したわい。五十五万石に疵付ける虫を一匹タタキ潰いた....
私本太平記」より 著者:吉川英治
帯にまでみえる。 いつか深々、寝込んでしまっている顔もあった。泥ンこな兵たち、欲も得もないような寝顔、それでも誰かが、 「月の出か?」 呟くと、すぐ薄目をあ....