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「欲張り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

欲張りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
なか深い。一寸《ちょっと》した物を買っても、すぐに暴利を貪ろうとする。実に懦弱で欲張り根性の突張った奴等ほど済度《さいど》し難い者はないのだ。 (六)髯....
恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
本当に愛していれば、結婚と同時に財産も全部二人の幸福のためにと……」 「敬さんは欲張りなのね」 「当然のことじゃないか? それだけだって、ぼくたちは早く結婚をし....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
だ。ねえ、この渓谷性金剛石土がサラサラッと泣いて、十億、一兆億のこんないい音が、欲張りどもに聴こえないかって言ってるぜ」と土を掬ったりこぼしたりしながら、最後に....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
いにく銅貨が二、三銭と来たら、いかに吉弥さんでも驚くだろう」 「この子はなかなか欲張りですよ」 「あら、叔母さん、そんなことはないわ」 「まア、一つさしましょう....
ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
、ほんとにひどい奴で、先生の亡くなられたのも、つまりあの業突張りの為だわ。そんな欲張り爺だから、手前んとこの郵便函に、聞いた事もない人の通帳が入れてあったのを、....
ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
けに決して死なゝいという見込みから、まだ/\たくさんの欠点がふえてきます。頑固、欲張り、気むずかし屋、自惚れ、おしゃべりになるばかりでなく、友人と親しむこともで....
燕と王子」より 著者:有島武郎
雪だるまのできる雪がちらちらとふりだしますと、もうクリスマスには間もありません。欲張りもけちんぼうも年寄りも病人もこのころばかりは晴れ晴れとなって子どものように....
家なき子」より 著者:楠山正雄
うちで、アルキシーはたいへん金をだいじにする子であった。わたしたちはいつもかれの欲張りをからかっていた。かれは一スー、二スーと貯金してしじゅう貯金の高を勘定して....
火の扉」より 著者:岸田国士
いのに、この土地がとくにそうなのか、お百姓なるものゝ性格に彼女は同情がもてない。欲張りやがんつきは世間の到るところにいるわけだが、それをおかしいほど意識していな....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
ろう」と若侍は賛成した。 早速呼出された当家の主人半田屋九兵衛。これが土地での欲張り者。儲かる話なら聴くだけでも結構という流儀。その代り損卦の相談には忽ち聾に....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
と手がでますまい、と言ったような顔をする。これでは、東京に鯨肉が普及しない訳だ。欲張りをも顧みず、鮎川港の生鯨解体作業場へ手紙を出した。ありがたいことに、腰肉を....
迷信解」より 著者:井上円了
りとも、神仏はこれを助くるどころでなく、いたく罰するが当然である。しかるに、世の欲張りものが神の助けをかりて己を利せんとする例がたくさんある。実に驚き入りたる次....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ないと言うものもあった。しかし後者は頗る少数で、大体において団十郎は傲慢である、欲張りであるという批難の声が高かった。 そのときに私は榎本虎彦君からこんな話を....
公園の花と毒蛾」より 著者:小川未明
見れば分かるものを、賞をくれるのを惜しんで、ただ貸してくれいもないものだ。」と、欲張りのおばあさんは、ぷんぷんと怒って、大きな二|本の大根を抱えて、会場の入り口....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ると、隣人はもちろん、社会にまで迷惑を及ぼします。ですから今では殆んど吝嗇とか、欲張りの代名詞になっています。これは誠に残念に思います。正当に利己主義を使うこと....