欲得[語句情報] » 欲得

「欲得〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

欲得の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
替えて、夫婦の契りを結ばせたのでありました。それというのも、長兵衛親子が、やはり欲得金づくからで、一生不自由しなければならないことを知りながら、かく窮屈な女に化....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
を一枚投げ出してむやみとただ運べといったんで、正月そうそういいかせぎだとばかり、欲得ずくでなんの気なしに須田町まで飛ばしていったら、あそこに受け駕籠が一丁待ち構....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
りこがして、何か小細工をやったか、でなくばたいそうもなく善人の兄貴とふたりしての欲得仕事に預かり雛を売り飛ばし、代わりにまがい雛をまにあわせたというようなところ....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
来たわけだ。 この黒衣の人物は何者だろう? 土部三斎と、長崎以来、これも深い欲得ずくの関係を結んでしまった、こないだ、広海屋火事の晩|非業《ひごう》に倒れた....
続獄中記」より 著者:大杉栄
しては殺傷沙汰にまでも及ぶ。が、その喧嘩のもとは、他の正直な人々の間のようには、欲得ではない。そのほとんどすべてが恋のいきさつだ。 ちょっと色の生っ白い男でも....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
ことが、私に信じられましょうか――その女と差向いで話しをなさる時ですら、何も彼も欲得ずくで測って見ようと云う貴方がさ。それとも、一時の気紛れから貴方がその唯一の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
味がおわかりになりません。たとえ、故郷に十倍のよい地面を与えられたからといって、欲得ずくでは故郷を離れる気になれるものではございませんよ。わたしのように、旅から....
丹下左膳」より 著者:林不忘
は思わねえか」 さも慨然《がいぜん》と腕を組んだ富五郎のまえに、おさよは始めて欲得《よくとく》のない母の純心を拾い戻した気がして、ながらく忘れていたいとおしい....
慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
、かれは鹿沼町の某会社の職工なりといえば、一種の嫉妬か、あるいは小せんと共謀して欲得のために磯貝を害せしやも知れずという説。第三はかのお冬の父の六兵衛ならんとい....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
杯やって元気をつけてください。……こうしておいて、またいつか智慧を借りようという欲得づく」 いいほどに飲んでいるところへ『神田川』から鰻の岡持《おかもち》がは....
カキツバタ一家言」より 著者:牧野富太郎
《マトリスムウナテ》の神社《モリ》の菅《スガ》の実《ミ》を衣《キヌ》に書付令服児欲得《カキツケキセムコモガモ》とあれば かきつばたは書付花《カキツバナ》也(はな....
天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
ことでも、上に立ってワアワア言ってやる人間は当てにゃならねえものよ。多数の中にゃ欲得離れてやる立派な人も一人や二人はあるかも知れねえが、そんな人でさえも頭ん中の....
アパートの殺人」より 著者:平林初之輔
ゃないかと思います。関係した月日もいちばん長かったようですし、神村さんには、全く欲得はなくてほれていたようでした。といっても、ああいう人ですから、誰が一番すきだ....
大岡越前」より 著者:吉川英治
頼むぞ」 「御念には及びません。先生が生涯かけてのお頼みというんで、若い奴らも、欲得なしに、一肌脱いでいる意気ですからね」 その間に、お燕は駕籠へ移され、かご....